僕は妻に許して欲しい!〜なんで喧嘩中の妻がこんなに可愛いの〜
いやー、美味いなぁ。
ウチの嫁さんの作るこの手羽元は最高だよ。
最後の晩餐には、これが食べたいぐらいだね。
昨日、喧嘩をした。僕は、今まで妻と喧嘩などほとんどしてこなかった。でも、しょうがないじゃないか、こればっかりは、
僕の妻は、ああして怒っていたけれど、僕のシャツのシワをアイロンで伸ばしてくれた。弁当も作ってくれた。優しいんだよな。
会社の皆にも、その話をしていたから色々励まして貰えた。今日は早く帰っていいことになった。
『今日、久しぶりにきかだいか?遊園地』
『きかだいかってなに?笑 いいよ。』
笑ってくれてる。僕は普通にメッセージを送っただけなのに。許してくれたのかな。
ここは、僕が君に初めて大切な事を言った場所なんだ。ここなら、許してくれると思ったんだけどな。ここで、妻はよく涙を流す。
夕日が僕らを寂しく照らす。
その日の夜は豪勢だった。
就寝前、僕は外にある車のまえに連れていかれた。
「あなたは、そっちで寝てね、おやすみ。」
君と寝かせてくれないのか。悲しいな。
車の中には何人も人がいる。これなら、寂しくないか。ウチの家の方から慟哭が聞こえる。
泣くほど許せないのか。僕だって許せないさこんなの。
僕も涙が出てきた。
「あ゛あ゛あああぁぁぁ!」
「山本さん、家に戻られますか」
「いえ、、、大丈夫です。」
こんな事なら、手羽元、全部食べときゃよかった。