始まり
人生を楽しめ。ゲームのように
「あと30分でサービス終了かぁ…」
ユウヤが空を見上げながらそう呟く。
「なぁ、クソ楽しかったのになぁ…なんで終了するんやろ」
シュウキもつられるように口を開く
「普通に考えて、新規ユーザーと課金数が足りんかっただけやろ」
タケヒロが冷静な回答を出した
「悲しいなぁ…」
と呟く俺
このゲーム、ラグナロクもついに終わってしまう。
このゲームのために費やしてきた費用と時間を考えると、涙が出る。
「こんなにかっこいい肖像画まで用意したのに、いきなりのサービス終了やめてほしいわ。ほんま」
「しゃーない、運営様が全てを決めるんや、一人一人のユーザーのことなんて聞いてられへんのもわかるわ。」
皆最後だからか言いたいことを全て言ってるように見える。
ほんとになぁ、せっかく俺の白髪部隊も完成したのに、ほんとに悲しい。
そんなふうに会話をしていると、サービス終了5分前になった。
ユ「よーし最後に全員で最高位レベルの魔法撃って終わるかw」
シ「ええな、それw」
「あーまじで終わって欲しくない」
タ「こればっかりはどうしようもできん、最後に魔法撃って終わりやな」
ユ「よーし行くぞ!」
4人が魔法を撃とうとしたその瞬間だった
それはまるで雷撃が地面に直撃した音か、戦術核の爆発音にも聞こえたが。このゲームにそんな要素はない、
それは地震だった。
ユ「な、お、おい地震なんてこのゲームあったか?!」
「ないないない、こんなん知らん!」
シ「やめてや、有線接続やのに変なバグは脳に支障残る可能性あるって!!!」
タ「地面が光ってる!?」
ユ・シ・俺「!!??」
画面一面を白い光が包み込んだ
「………………ん………」
頭がクラクラする。それに物が焼けてる匂いがする。
「大丈……か!……?ハル………!」
ユウヤだユウヤの声が聴こえる。
「うぅ…ユウヤか?」
ユ「良かった、まぁゲームやし死ぬことはないやろw二人も起こしてくるで!」
「おう………」
なんや、何があったんや。
「お怪我はありませんか?同志中将?」
聞いたことのない声だがこのゲームで中将の地位にいるのは俺しかいない。
振り返ると、俺がメイキングを施した。白髪部隊の一人がいた。
「え?NPCって喋れなかったような…」
「エヌピーシー?申し訳ありません同志中将。私の知り得る情報の中にエヌピーシーなるものはございません。知識の無さを謝罪いたします。」
いきなりのことで、まだ自分が見ている状況に脳の理解が追いついていない。
タ「ハルトも無事やったか。」
タケヒロが走りながらそう言ってきた
「タケヒロ!お前も無事で良かったわ。」
タ「それより気付いたか?NPCが喋ってるし、向こうから話しかけてくるぞ」
「そう!そうなんよ!」
「?」
白髪の少女がこちらを見て目をまん丸にしている。
あ、やべ
「タケヒロ耳貸して」
と小声で囁く
コクっと首を縦に振り、喋らずとも俺の言いたいことを理解しているようだ
とりあえず、4人だけで話せる様にしたいため、その場を離れようとした時
白髪の少女「お、お待ち下さい同志中将。指揮官が離れては対応に支障が生じます!」
白「現状においてのご命令を」
えぇ…と思ったがよくよく考えればこいつらはNPCで今はなぜか話せるようになっていて周りには俺ら四人以外の負傷者もいるようだった。
少し考えたのち口が開いた
「と、とりあえず負傷者を優先して助けてあげて…ください…」
「了解いたしました。同志中将」
その返答を聞いた瞬間タケヒロとその場から全速力で逃げた
どうなってるんだいったい…
混乱と困惑が俺を襲っていた。。。。
組織の運営はしっかりしようね☆