田宮 結衣(天使モード)
「えへへ~」
現在、結衣は俺の膝太腿の上に頭を乗っけてだらしない声を出していた。なぜこんなことになったのかというと前の話を読めばわかるので割愛。
今は結衣を甘やかしている真っ最中だった。
「こんなことでいいのか?」
俺はふと気になりそう聞く。先ほどから肩を貸してやら頭を撫でてやらとしか頼まれていないためこんなんで許してもらえるのかと思ってしまう。
「お兄ちゃんにとっては『こんなことでも』私のとってはこれがいいの。」
結衣はちょっと怒った様子で反論してきた。
「そういうもんか。」
「そういうもんなの。」
それ以上、俺たちが何か会話をすることは無かったが時間の流れがとても緩慢に思えていく。
「・・・。」
「・・・。」
ふと、下に顔を向けると俺の太腿の上に頭を乗っけている結衣と目が合う。すると、結衣は静かに俺の頭に手を伸ばし優しい手つきで俺の頭を撫でてくる。俺もされるがままされる。
「それじゃあ、そろそろ準備しようかな。」
すると、突然、結衣がそんなことを言いながら体を起こした。
「何の準備をするんだ?」
「お昼ご飯、だよ。」
俺の質問に端的に答えた後、結衣はキッチンに立った。それを見て、俺も立ち上がる。
「今日は俺も手伝うよ。」
「そっか。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな。」
俺がそう言うと、結衣は少し目を大きく開いた後ニコっと笑った。
料理を手伝ってみて改めて思ったがマジ結衣さん偉大だわ。
「結衣はいつもこんなことしてんのか・・・。」
俺はソファの背もたれに寄りかかりながらしみじみ呟く。
「あはは、お疲れ様お兄ちゃん。」
隣に座っている結衣は苦笑を浮かべながらねぎらいの言葉をかけてくれる。
「こんな大変なこと何時もやってて疲れてないか?」
「大丈夫だよ。お兄ちゃんが言うほど疲れてないから。」
俺の質問に結衣は笑顔を浮かべて答える。はぐらかしている様子もないので本当なのだろう。
そう話した結衣は俺の隣に座って大きく深呼吸をしたかと思いきや「よし。」と小さく言ってこっちを向いて自分の太腿を叩き始めた。
「?」
「んっ!」
最初はどういうことか分からなかったが結衣の恥ずかしそうな表情と叩いている場所でようやく察することができた。
「・・・。」
俺は恥ずかしさを噛み殺し、自分の頭を結衣の太腿の上にゆっくりと乗っけた。先ほどと違うところは膝枕をされているのが結衣ではなく俺という点だろう。
結衣の太腿は細くて、暖かくて、触れれば簡単に折れてしまいそうで、それでいてとても安心できる気がする。膝枕が始まってしばらくは恥ずかしさと心地よさが混同していて気を張っていたが時間が経つにつれてどんどん微睡の中に落ちていきそうになるところをこらえていた。
「いいよ、寝ちゃっても。」
その言葉を頻りに俺の耳には周りの音が届かなくなっていく。
「お疲れ様お兄ちゃん。よく頑張ったね、今はゆっくり休んで。」
最後にそんな言葉が聞こえたような気がした。
私は私の太腿の上で寝ているお兄ちゃんの頭を優しく撫でながら他愛もないことのようにこんなことをつぶやく。
「大好きだよお兄ちゃん、この世界の誰よりも。」
そうして、私は寝ているお兄ちゃんの頬に短く唇を触れさせた。
結衣に関していえばアイデアがどんどん浮かんできますね。




