答え合わせ
文化祭も終わり、その振り替え休日のある日。俺はリビングで家を訪ねてきた舞と向き合うように座っていた。何故こうなったのかと言うと・・・
カーテンの隙間から零れる眩しい日差しによって俺の意識は覚醒した。時計を見ると、時間はすでに11時を回っていた。
「・・・もうこんな時間か。」
普段の休日ならば結衣がほどほどの時間に起こしてくれるのだが結衣は俺とは違い何時も通り学校があるため起きるのがいつもよりかなり遅れた。体を伸ばすと、ボキボキと鳴った。
特にすることもないので結衣が用意して冷蔵庫に入れておいてくれたご飯を食べてソファでのんびりテレビを見ていると、インターホンの甲高い音が響いた。
俺は寝起きだからかふらふらした足取りで玄関に向かい、ドアを開けて絶句した。
「・・・。」
「えへへ、来ちゃった。」
そう言ったのは、可愛らしい私服を着ている舞がいた。
「・・・。」
「あっ。」
訪ねてきた人物が舞だと理解した3秒後に俺は玄関のドアを閉めた。そして、再びソファでのんびりしながらテレビを見ようとリビングに向かおうとするも・・・
「開けて開けてよ!急に来たのは謝るからさぁ!」
放置された舞は玄関のドアをガンガンと叩きながら訴えてくるためそうはいかなかった。。
「うるさい、近所迷惑だ。」
俺はやむをえなく舞を家に上げた。
「あれ?もしかして・・・」
「もしかしなくても起きたばかりだ。」
舞の疑問に素直に答えた。
「それで?休みの日にわざわざ何の用だ?」
「・・・答え合わせをしに来たよ。」
「?」
舞の返答に俺は頭の上に?マークを浮かべ首をかしげる。
「翔君が提案した『ゲーム』の答え合わせだよ。」
「あぁ、その話かってもう答えがわかったのか?」
そう答える俺は内心かなりの驚いていた。こんな短時間で分かるとは思ってもいなかったためだ。
「うん。」
舞は緊張した面持ちで頷く。
「それじゃあ、聞かせてもらうとしようか。お前の導き出した答えを。」
俺がそう促すと、舞はもう1度頷いてから話し始めた。
「・・・多分、この答えは100%あってると思う。でも、翔君のヒントがなければこんなすぐにはわからなかった。ゲームの内容である『澪と淳の信頼を得る』その方法は2人と仲良くなることじゃない。このゲームの答えは『翔君の信頼を勝ち取ること』そうでしょう?」
舞は俺の目を真っすぐに見つめながらそう言った。
「大正解だ。」
それに対し、俺は口元をにやりと歪めてそう答えた。
「ヒントで言ってた『淳君たちが言ってたこと』ってあれはヒントじゃなくて答えでしょ。」
「その割には時間がかかったようだがな。」
俺たちは小さく笑いながらその後も話を続ける。
「それで?答えがわかった今、お前はどうするんだ?」
「・・・分かんない。」
ふと、気になったことを聞くと舞からは予想外の答えが返ってきた。
「正直、どうすればいいのか分からないんだ。もっとガツガツ行って本当の意味で翔君たち3人の『友達』になるべきなのか。それとも、このまま何も知らないままのただの『友達』でいるべきなのか。」
舞は俺にどうすればいいのかを遠回しに聞いてきた。
「それは俺に聞くべきことじゃない。自分で考え、自分で決めなければならないことだ。」
俺はその救いの声を切って捨てる。
「俺が思うに他人に決められる人生ほどつまらないものはないからな。」
「・・・。」
「悩んで、迷って、苦しんでその末に出した答えに意味がある。かつての俺はその選択を間違え、逃げてしまった。お前は・・・舞はそうなってくれるなよ。」
「・・・うん。」
俺の言葉に対して、舞は力強く頷く。
(俺ができるのはここまでだ。後は舞、お前次第だ。)




