澪とのデート(後編)
買い物を終え、ご飯を食べた後、俺は澪に連れられて道を歩いていた。
「そろそろどこに向かってるのか教えてくれてもいいんじゃないか?」
「着いてからのお楽しみだから駄目だよ~。」
さっきからこの繰り返しだった。すでに歩き始めてから30分ほど経っているが澪が目的地を教えてくれる気配はなかった。
「と言っても、もう少し時間もかかるし私も疲れてきたからそこの公園で休もっか。」
俺たちはすぐ近くにあった公園のベンチに座って一休みすることにした。
「「ふぅ~~。」」
ベンチに座るなり俺たちは溜息をついた。
「にしても、結構歩いたんじゃないか?」
「うん、そうだね。」
いつも話を膨らませようとする澪にしてはいつもより静かだった。
「あっ、そうだ。聞きたいことがあるの忘れてた。」
沈黙が流れた後、澪は急にそんなことを言ってきた。
「なんだ?」
「最近、舞ちゃんがやたら連絡とかをくれるんだけど何か知らないかな。」
「あぁ、そのことか。」
舞が澪にそういうことをしまくっているのはおそらくこの間からスタートした『ゲーム』のせいだろう。
「実はだな・・・。」
澪に関することでもあるので俺は事細やかに説明した。
「そういう事だったんだ。」
説明を終えると澪は納得したという表情をしていた。
「それにしても舞ちゃんの勝利条件が『私と淳君の信頼を勝ち取る』とは翔斗君も意地悪だね。」
澪はクラスメイトたちに向けているのとは違う、親しい者のみに見せるかわいらしい笑顔を浮かべながら言った。
「まぁ、すでにヒントはあげたし後はあいつ次第だろうさ。」
そして、俺は言葉を続ける。
「それよりも、お前もお前だ。なに考えてんだ振った時の話を誰かに聞かせるなんて。」
「それは、舞ちゃんが私と淳君の本性を知ったらどういう行動に出るのか気になったからだよ。」
澪は悪戯っぽく言うと、「歩きながら話そっか。」と言って立ち上がった。それに続いて俺も立ち上がる。
「俺はお前も大概だと思うけどな。」
俺はジト目で言い返した。
「じゃあ、お互い様という事で。」
澪は俺とは反対にはにかみながら答えた。
「でも、翔斗君が舞ちゃんにそんなことを持ち掛けるとは思ってもいなかったよ。なにかあったの?」
先ほどの笑顔とは違い真剣な表情で聞いてくる。
「・・・過去ばっかり見てても何も変わらないことに気付いたからな。」
俺は自分の気持ちを包み隠さず話した。澪の反応が気になり視線をよこすと・・・
「・・・(ポカーン)。」
澪は固まっていた。と思ったら急に声をあげて笑い出した。
「ぷっ、あははっっ!!」
「なんか文句でもあるのかよ!?」
俺はまさか笑われるとは思ってなくて変な口調になってしまった。
「ふふっ、ごめんね。真剣な表情だったから何を言い出すのかと思ったら当たり前の事を言い出すんだもん。ごめんってば、拗ねないでよ。」
俺は澪から顔をそらした。
「もうっ、ごめんってば。」
「・・・。」
澪はなおも笑うため俺も無視を続ける。
「・・・着いたよ。」
「・・・すげぇ。」
澪の言葉に連れられて顔を上げるとそこには絶景が広がっていた。
後編で終わりませんでした申し訳ありません。次回の「澪とのデート(最終話)」で締めくくろうと思います。




