代わり映えのない日常
現実恋愛もの初投稿です!
作者の願望をギュっと詰め込んだ作品となりますので温かい目で読んでくださると幸いです。
では、お楽しみを!
「お兄ちゃん、起きて~。」
可愛らしい妹の声と共に俺は飛び起きた。
「my天使の声が聞こえる!」
目をカッと見開き上半身を起こすと俺の腰の上には布団越しにmy天使こと妹の『田宮 結衣』が制服姿で座っていた。
「おはよう、お兄ちゃん。」
そんな俺の反応を見て結衣はくすりと、笑ってから挨拶してくれた。
「・・・俺、もう死んでもいいわ。」
俺はあまりの可愛さに思わず結衣を抱きしめた。結衣も何も言わずに抱きしめ返してくれた。この二人はブラコンとシスコンなためこの程度の事は毎日していた。
「はい、朝のハグは終わりっ!今日から新学期なんだから早く準備しなきゃだめだよ。」
3分ほどハグをしてから結衣は俺の部屋を去っていった。
「今日からまた学校か~。」
妹成分を補充し終わった俺はテキパキと学校の準備を始めた。
鳴動高校の制服に着替え、身だしなみを整えてからリビングに向かうと結衣がご飯を作っていた。うちの両親は二人とも共働きなため家事は結衣がすべてやってくれている。俺とは違い完璧な妹だな。
そんなことを考えていると結衣がご飯を運んできてくれた。朝食はスクランブルエッグに焼いた食パン味噌汁だった。
「「いただきます。」」
俺と結衣は同時に言った。味噌汁を飲むとあまりのおいしさに思わず頬が緩んでしまう。
「結衣の作るご飯はおいしいなぁ。」
「うん、ありがと。」
俺が呟くとうれしそうに結衣は笑みを浮かべる。
「それじゃ、行って来ます。」
「おう、気をつけてなぁ~」
結衣はまだ中学生なので俺より登校する時間は早いため朝ご飯を食べ終わるとすぐに家を出て行った。
「さて、俺もそろそろ出るかね。」
結衣が出て行ってから10分ほどたった後に俺も高校に行くため家を出た。
俺の家から鳴動高校はそれなりに近いため20分ほどで着く。
学校に着いた俺はクラス分けの掲示板のところでクラスを確認していた。
「え~と、俺は・・・おっ、1組か。」
クラスを確認した後、下駄箱で上履きに履き替え教室に入った。
「おはよう、翔斗。」「おはよう、翔斗君。」
教室に入ると爽やかな声と綺麗な声が俺にかけられた。
「何だ今年もお前たちと一緒だったのか。」
俺はその声の主を見て思わず溜息をついた。
爽やかな声の持ち主は『時坂 淳』であった。成績優秀、性格もよく、容姿も完璧という神に選ばれた(翔斗が勝手に思っている)少年だった。周りからは敬愛と畏怖を込めて『王子』と呼ばれている。ちなみに、翔斗の幼馴染である。
綺麗な声の持ち主は鳴動高校四大美女(翔斗が名づけた)の一人『成宮 澪』だった。澪も翔斗と淳の幼馴染である。スタイル抜群で男女共に分け隔てなく接する鳴動高校が誇る美少女である。成績が芳しくないというところを除けば完璧美少女といえるだろう。
「翔斗は僕達と同じクラスでうれしくないのか?」
淳は悪戯っ子の様な笑みを浮かべながら聞いてきた。
「お前と一緒だと何かと巻き込まれるんだよ。」
俺もその笑みにジト目で返した。
「まぁまぁ、二人ともいいじゃん。また、3人で同じクラスになれたんだからさ。」
澪が真ん中に入り、仲介してくれて俺たちの睨みあいは終わった。
「はぁ、今年も面倒なことになりそうだな。」