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気まずさの中で

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宜しくお願い致します

「「すいません...」」



俺と先輩は黒田親子に頭を下げた。



もう一人中にいた人は黒田さんのお母さんだった。


黒田さんのお母さんだけあって綺麗で...というのは余計なことだが

まるで葬式に行くような主に黒を基調とした服装で黒田さんを連れてきたそうだ。


まあ、その理由はさっきの通り保健室通いでお世話になっており、

信頼の置ける、保健室の先生にこそ黒田さんの悩みを相談しに来たらしい。

ちなみに佐東先生という名であった。

先生もお子さんがいるとは思えないほど若く見えてお綺麗で......


ああ、駄目だ。さっきから先輩に近付かれてからおかしい

その程度で正気を失うとは、女っ気のない男の末路か......。



「それにしても一体なにについて話していたんですか」



え、そんなストレートに!?


目を瞑って眉間辺りをつまんで浮ついた気分を沈めていたが

まさかの先輩の発言に目を見開らいた。



「アタシ達は...いえ、少なくともアタシからは、奈々を友達だと思っています。

 だからアタシも奈々の悩みについて聞いてもいいですか?」


ハキハキとそう語る彼女はカッコいいがそんなこと許されるのか......?

そもそも学年も違う二人には一体どういう関係があるというのだろうか。


それを聞いて先生は少し悩んでから


「...ちゃんと朝のホームルームには遅れず行くのよ?」


仕方がないと判断したのか眉をひそめながらも口元は優しげに言った。


「...! はいっ!」


何とも綺麗な一場面に見えるが


そうなると俺の立場が......



「そういえば、友人で保健係の倉田さんは良いとして」


...この流れは、


「君はどうしたの?」


そうなるよなぁ......。



う~む、どうしたものか

正直に自殺を止めたから訳が気になって、と恩着せがましく言うのは無しとして...



そう静かな保健室でうんともすんとも言わず、だんまりと熟考した後に



あっ!そうだ、忘れていた...!

元々自分は足をやられたからここを訪ねようとしていたではないか。

ならばそれを言えば良い


あまりにも黒田さんの退学発言からのことが強烈過ぎて

やっと当初の目的を(十分怪しい思考時間の末、)思い...出した!



「あ、あのですね、俺は足を――」


「彼は私の恩人です」


なぜ悩んでいる間に言ってくれなかったのか、と思うほどのタイミングで放ってきた。


...いや、それも困ったのだが何故被せてくるように黒田さんは言ったんだ



「それも、彼は私の命を救ってくれました」


黒田さんは俺を真っ直ぐ見つめながら今度は先生に目線を変えて言い切った。


ああ、そこまで言わなくても......



「...それは一体どういうことですか?」


そうなれば真剣な目で俺に答えを求めてくることは読めていた。


だから有りのままに告白して欲しくなかったというのに



「ええと、それは...」




先生の真っ直ぐな眼光、

黒田ママな不安げな目、

先輩の疑わしげな目、


それを見回した上で口ごもる俺が助けを求めるように見た


黒田さんの目は、何故かいたずっら子の様に笑っているように見えた。

いつも見てくださっている方、そうでない方も閲覧して下さり、有り難う御座います。

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