2 フェチじゃない サードガール
私はどちらかといえば地味だ。
地味な性格だが、ファッションは過激的だ。
何しろ、コーディネートはすべて、弟がしてくれるからだ。
弟は中学生なのに、ショップの買い付けとモデル撮影を『社長』
としてやっていて、私は弟から、着せ替え人形のように1日写真撮影
に付き合わされることもある。
昔はメークも弟がやってくれていたが、今は弟も忙しくて撮影スタッ
フのメイクさんが、撮影じゃない時でも、やってくれる。
まったくメイクに興味がなかった私だが、いつの間にかメイクの仕方
を覚えてしまって、地味メイクは上手くなった。
何でもお任せの私だったが、仲良くなった下着コーディネートのスタ
ッフさんの影響で、下着を自分で選ぶのが趣味になった。
体に自信はないけど、下着には自信がある。
下着の気持ちが分かると言った方がいいかもしれない。
だからと言うか、カワイイ女の子が、どんな下着を着ているのかが
いつも気になって、ついつい見せて欲しいと言ってしまう。
私は、単なる下着フェチじゃなくて、その女の子を内面的に輝かせ
てくれる下着が大好きで、下着と女の子が対等なパートナーのように
感じられることが、この上なく幸せな時間だった。
こんな私だからクラスの友達も、学校の友達もいなかった。
浮いた存在なのは自分でも分かっている。
「お前は、話しかけないで下さいオーラーが強すぎる」と、よく男子
から言われるのも、私を気楽にさせてくれた。
この違和感が、私を素敵にしてくれると、私は知っているからだ。
人と違うこと。人と同じことが素直に出来ないことは、私を、より私
らしくしてくれる「最高の栄養分」だと私は信じている。
『変わり者』それは私への最高のほめ言葉だ。