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EP7

最初から読み返してたら風景描写が弱い気がするのでそのうち手直し入れます。

「今の俺じゃ無理ってことは、可能性はあるんだな?どうすればいい?俺は必ずヤツらに復讐する!たとえ手足が無くなってもヤツらに地獄を味わわすことができればそれでいい。」


『ふむ、取りあえずここは目立つ。移動したほうが良さそうだぞ?』


見れば、周りには俺の凶行を心配した町の人たちが集まり始めていた。みんな「どうしたんだ?」という顔をしているが話しかけてくる者は誰もいない。それはそうだろう。俺だって普通なら石畳を爪から血がでても掻き毟っている奴なんかに話しかけはしないだろう。立ち上がり足早にその場を離れる。なるべく下を向いて顔を見られないようにしながら…


そして、町の裏通りの人気のないところまで来ると腰を下ろす。そのころになると幾分冷静になっていた。俺はこれからのことやら声の主のことを聞き始める。


「で、お前は誰だ?」


『先ほども名乗っただろう?お前が選んだダガーだ。』


「なぜダガーが喋る?武器は喋りはしない。」


『私は特別だ。伝説の武器の内の一種だからな。それにさっきも言った通り誰でも話せるわけではない。条件がある。』


「そういえば、ずいぶん久しぶりとか言ってたな?条件…そうか!ダガーマスタリー99だろう?」


『厳密にいえばダガーマスタリー99でなくても武器マスタリー99であればいいがな。』


「だがこんな今にも折れそうな奴が伝説の武器だと言われても到底信じることは出来ないな。話せるだけなら寂しい奴の話し相手にしかならないだろ。」


俺はおもいっきり皮肉をこめて言った。だが奴は気にすることもなく言う。


『私の能力を使うにはダガーマスタリー99が必要だ。それ以外の者が使ってもただのダガー以下だからな。お前なら私を使いこなすことができる。私を使いこなすだけではお前の復讐は出来ないがな。とにかくステータスを開いてみろ。私の言ってることが本当だとわかるだろう。』


俺は言われるままにステータスを開いた。驚愕する。スキルが増えている。増えていたスキルを確認する。


①…アクティブスキル【圧:99】自分の周りに強力な圧力を発生させ、敵を動けないようにする。又は弱ければ失神させる。ただし、自分より強い敵には限定的にしか効かない。消費MP0、ディレイ無し。

②…パッシブスキル【貫通:99】攻撃した箇所の防具及び防御魔法などの効果を無視し攻撃を貫通させることができる。

③…パッシブスキル【選ばれし者】全てのステータスを大幅に上昇させる。また獲得経験値及びスキルポイントも大幅に上昇される。


フェイクをといて他のステータスも確認したが確かに全てが5倍になっている。こいつが言っていることは本当だ、俺の直感は外れていなかったのだと確信した。


「確かにお前の言っていることは本当のようだ。だがこれでも復讐は果たせないと。そんなに兵士たちが強いのか?確かにおっさんは強そうだが。」


『そうだ、まずお前のレベルが低すぎる。レベルが低ければ【圧】のスキルが有効に発動しない。それに他にも取るべきや上げるべきスキルがある。まず、優先的に上げるべきなのが【観察眼】だ。それに【隠密】が絶対に必要になる。なぜかわかるか?おっと、取り合えず休むところに移動したほうがいいな。そろそろ日も暮れる。金はあるのか?』


そういわれれば日も沈もうとしている。ゴブリンを倒したときの銅貨2枚を思い出しポケットから出す。これしかないが…と言うと一晩泊まるだけなら充分だろうと返答があったので町の通りに出て宿屋を探す。5分もしないうちに見つけることが出来た。中に入り、おばさんに泊まりたいことを告げた。すると、じろじろ見られたが一晩で銅貨1枚だと言われたので、払って部屋へ案内してもらう。その部屋はボロいがなぜか心が落ち着くような部屋だった。ベッドに腰を下ろし、ダガーに話しかける。


「さきほどの問いだが、まず【隠密】については奇襲攻撃用というところだろう。【観察眼】は戦闘で役に立つのか?相手の行動を観察し、対処するというのを考えはしたんだが、それでは後手すぎる。」


『【隠密】に関してはそれもあるが一人で魔物を狩るとなると相手に気づかれないようにする必要がある。レベルが低いうちは囲まれると死に直結する。【観察眼】はダガースキルの7番目を思い出せ。』


「あぁ…確か相手の【弱点】にスキルを当てると一撃で倒せる。だったか?反則級だから覚えてたよ。」


『そうだ、だが相手の【弱点】をどうやって見つける?同じ種族でも個々で弱点は違う場所にある。』


「なるほど、観察眼があれば弱点を見つけることが出来る。隠密があれば気づかれずに倒すことが出来る。か…」


『隠密の有用性はそれに留まらないぞ、まぁ覚えていけばわかることだがな。さっそくこれから隠密のスキルを取りに行くぞ。』


「今からなのか?というかお前はなぜ俺に力を貸してくれる?」


『私は嬉しいのだ、今まで私を使いこなせる者はいなかった。先の勇者はソードマスタリー99だったからな。だからお前に力を貸す。お前がどういう道を進むのか、共に見たくなったのだ。たとえそれが復讐の道でも。』


「そうか、よろしく頼む。俺は壱夜唯利だ。お前は?」


『私か?私に名は無い。呼びやすいように呼べばいい。』


俺は焦った。なぜなら俺にはあだ名とかそういうものをつけた経験があるはずもなく、更に自分でも自覚していることだが、センスというものが皆無なのだ。うん、ほんともう死んだ方がいいくらいに無い。だが、今はどうしようもない。悩みに悩みぬいて俺は胸を張って言った。


「よし、じゃあ2つ候補を挙げる。気に入った方を選んでくれ。1…ダガー、2…ガーくん、さぁ選べ。拒否は許さん。」


『お、お前^^;壊滅的にセンスが無いと言われないか?ガーくんだけはごめんだ。ダガーで頼む。』


「うるさいぞ、ダガー。ちなみに俺のセンスは元の世界だと表彰されるほどだ。で、隠密スキルを取るらしいが具体的にどうすればいいんだ?」


『あぁ…それはな。』


「はぁ!?本気で言ってるのか?バレたら殺されないか?それは危険すぎる。」


ダガーが言ったのは『王城の女湯をバレることなく覗け』というある意味モンスターと戦うよりも恐ろしいものだった。俺はまるで死地へ向かうように町の外へと足を踏み出していくのだった。





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