EP4
だんだんブックマーク増えてきて嬉しいです!
頑張ります!
クラスメイト達は兵士を見て一瞬身構えたが、敵意がないとわかると一斉に佐藤を助けて欲しいと口を揃えて言い始めた。刈谷もそちらへ行ったことにより険悪な雰囲気はひとまず回避された。
「これはヒドイ…すぐに王城へ連れていき高位の魔術師に見せましょう。皆様をエンデライト城へご案内致します。あなた達はそこの御方を連れてきなさい。あぁ、言わなくてもわかるわね?丁重によ。」
金髪縦ロールの女性は、こちらと兵士への話し方ではずいぶん差があるのが俺には気になった。しかしそんなことはもちろん口に出さない。
道中、男連中の質問攻めにあった彼女は、ここは【エンデライト】という国の領土で自分は第一王女なのだと語った。当然女連中は面白くなさそうだ。俺は確かに美しいとは思うが、彼女の態度や仕草から信用できないと思っていた。それはこの後ドンピシャで当たることになるのだが…そして、誰もが聞きたかった質問を神童が聞いた。
「なぜ俺たちはここに飛ばされたんでしょう?あなたは俺たちがこちらに来ることを知っていたみたいなんですが?」
「それについては城へ着いて佐藤様の怪我を治してから皆様にお話させていただきます。」
彼女はにっこりと微笑み答えた。神童も一発で惚れてしまったのか、それ以上聞くことはなかった。
やがて森を抜け、街道らしきところに出た。その街道の少し先には町があり、城が見えた。
「皆様、あれがエンデライト王国です。佐藤様が心配ですから急ぎましょう。」
彼女は少し速度を速めた。そしてたくさんの人がごった返していたが、彼女が通るときには人ごみが割れた。クラスメイト達は第一王女なのだから当然だろうと思っていたみたいだが、俺には町の人たちが彼女をおそれているのだということがはっきりとわかった。町を抜け、王城へ入るときの兵士の緊張、いや、おそれの表情も俺の考えが正しいのだと確信させた。
そして俺たちは食堂のようなところに通され、佐藤の治療が終わるまで食事をして待っていてほしいと言われた。次々に運ばれてくる高級そうな料理。クラスメイト達は談笑しながら食事をしていた。そんな中俺は食事をする気にはなれなかった。なぜなら、この後の展開が大体読めていたからだ。
2時間ほどたってから王女と佐藤が戻ってきた。首の傷はあとこそ残っているものの死んではいない。クラスメイト達は一斉に駆け寄り無事を喜んだ。もちろんその輪の中に俺はいない。
(魔術師とは、あの傷でさえ治療してしまうということか。)
「皆様、お待たせ致しました。それではこれよりご説明させていただきますので、謁見の間へおいでください。」
王女のあとについて移動するクラスメイト達、俺は最後尾からついていった。
まだ序盤…復讐はいつになったらできるのだろうか^^;