仮)EP1
壱夜唯利は今3人から暴行を受けている。しかも教室の中で。刈谷はじめ、佐藤雄大、そしてリーダーの神童翔太。他のクラスメイトは注意するどころか、おしゃべりに夢中だったりして誰も気にとめる者はいない。
「お前何しに学校来たの?」と刈谷が腹への強烈の一撃。
「あぐっ…」唯利は倒れこむ。
そこへ、佐藤の蹴りがとぶ。
「お前いてもいなくても誰もわかんねぇんだから来るんじゃねぇよ。」
そして、神童が唯利の髪を無造作に掴み顔を覗きこみ言い放つ。
「毎日殴られに学校に来るなんてお前バカなのか?まぁ、俺たちはストレス発散になるからいいけどなッ!おい、はじめ!こいつちょっと立たせてろ。」
抱えられ唯利は無理やり起こされる。神童はニヤッと笑いハイキックの素振りをはじめた。
「おいおい、こいつ死ぬんじゃねぇの?」刈谷が笑いながら神童に言う。
その時、突如教室が真っ暗になり、気づけば辺り一面大樹に囲まれた森の中だった。
「え!?何が起こった?」「私たち教室の教室は?え、え?」
もちろん、クラスメイト全員が混乱するが答えることができるものは誰もいない。悲鳴を上げ叫ぶ女子生徒もいる。
その時、ガサッと茂みが揺れ何かが出てきた。
身長は小学生より少し大きい程度。肌は茶色。顔は口がやたらに大きく、その目は獲物を見つけ喜んでいるように見えた。何より手にはさびてはいるが【剣】が握られていた。それは【ゴブリン】と呼ばれるモンスターだった。
「おい!あれやべぇんじゃねぇの?どうすんだよ!」佐藤が神童に聞く。明らかにビビッている。
「はじめ!!!壱夜をアイツの方に押し出せ!」
「お、おう!」刈谷は羽交い絞めにしていた唯利をゴブリンの方へ押す。
唯利はよろめきながらゴブリンとクラスメイトの中間地点ぐらいへ押し出された。