6、国王様・王妃様
王子様といえば、金髪碧眼、俺様イケメンなんだね!
誘拐といい、やっぱりテンプレすぎる。もうちょっとひねってもいいんじゃないかしら・・・?
そんなことを考えつつも お菓子を食べながら馬車に乗っていると王宮に着いた。
うん、やっぱり西洋風のお城だよ。某ねずみの国のシン○レラ城だね。
外国のお城にも行ったことないのに、異世界で初とは、わたしってラッキー?
そして、夕食がてら食堂のような部屋で国王様と王妃様に会うことになった。
そんなアバウトでいいのか、異世界。謁見の間とか行かないのか。
ちょっと面倒だなぁ。でも、王宮のご飯か・・・。美味しそう・・・!
もうちょっと、おじゃましときますか!
国王様は金髪なのに渋くてかっこいい!王妃様も金髪でゴージャス美女~。
いつものご挨拶でいいんだよね。
お二人ともニコニコしていて、優しいし、やっぱり料理も最高!デザートはなんだろう・・・?
子供扱いなのはもう諦めたけど、もうちょっと疑問に思わないのかな・・・?
そういえば、黙々と食べている王子様は連絡してくれたかな。
伯爵家のこと言っておかないと。
「あのう、わたしフルサル伯爵家にお世話になっておりまして、第三王子様に連れてこられてしまったんです。
連絡をしていただけませんか?」
「なに!それはまずい!おい!大至急連絡を取れ!!」
「あなた、どうしましょう!?ユーアティリオ、あなたは連絡をしたの?
伯爵に怒られてしまいますわ!」
「ああ、マズイな・・・。あいつは私たちの幼馴染なんだが、怒ると色々と怖いんだ!」
・・・色々ってなんだろう。大人の事情で聞かなかったことにしようかな・・・。
王子は呆然としているけど、知らなかったみたいね。
もうちょっと考えて行動しないと、いい大人なんだから。
バタバタと走る音がして、ドアがバタンと開いた。
びっくりしてドアを見ると、ひんやりした空気と次男さんが、入ってきた。
「や、やあ、クローディアス。突然どうしたんだい?」
次男さんは、ペコリと挨拶をしてお付きの人に手紙を渡している。
その人から受け取った国王様が、手紙を読むと顔が青くなった。
「・・・くっ!伯爵・・・相変わらずだ・・・!」
「・・・まあ!あなた!どうしてこんなことが!・・・ああ・・・。」
続いて手紙を見た、王妃様が倒れそうになっている。
なんて書いてあるんだろう?伯爵さまって・・・?
次男さんが、びっくりしているわたしの手を引っ張って、部屋から連れ出してしまった。
「あ、あの!ごちそうさまでした!お、お大事に・・・!」
王宮内をどんどんと進む次男さん。
迎えに来てくれたのね。よかった。帰れるかちょっと心配だったから。
「あの!次男さ・・・クロー様!迎えに来てくれたんですよね!ありがとうございます。
でも、もうちょっとでいいですから見学してもいいですか?お城なんて初めてなんです!」
次男さんはコクリとうなずいてくれた。
手をつなぐのは、もう慣れたけど。子供だって思っているからねー。
それにしてもどこに行くのだろう?わあ、大きなお庭だな。さすが王宮だ・・・。
穴なんてないわよね?落ちたら、そろそろ帰れちゃうかも・・・。
もうちょっと、ここにいたいしね。
え、石造りの頑丈そうな建物の方に行くの・・・?
って、うわあ!騎士の訓練場か~。
次男さんの仕事場なんだろうな。今日は早く帰って来ていたけど、いつもこんな感じなんだ。
・・・異世界なんだよなーー。文章の中ではよくある風景なんだよね。
わたし、本当にトリップしてきているんだなぁ・・・。
いいことばっかりあるし、みんな優しい人ばっかりだし・・・夢でも見ているみたいだ。
「お!女の子だ!第二隊長が女の子連れているぞ!」
「おお!かわいい!第二隊長、妹いたっけか?」
「クロー様・・・!女っけないと思ったら、そんな趣味が!!」
「なんだ、ヒンヤリした空気が・・・?」
「第二隊長、無表情だけど、怒ってる?怒ってるの?」
「わーー!なんか氷のつぶが飛んできたぞ!」
騎士さまたちに、見つかったようだ。
みんな一斉にしゃべるので、聞き取れない。
「うるさいぞ!お前ら!」
「わ!第三王子!」
「団長!だって、第二隊長がっ!」
「クロー様、ロ・・ロリ・・ぎゃっ!!痛え!氷のつぶが当たったっ!」
「全員、腹筋200回だ!さあ!始めろ!」
「ぎゃあ~~!鬼!悪魔!魔王様~~!」
この世界にも、鬼っているんだ!?
騒がしくてよくわかんないけど、これが脳筋ってやつかな。ふむふむ、勉強になるな。
第三王子が騎士団長で、次男さんが第二隊長なんだ!
お若いのにすごいわねー。
今日も、「もうちょっと」通常営業中です。
日常で「もうちょっと」を使ってしまったアナタ!
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