表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/34

12、その時の皆さんは・・?

 庭に出た二人をこそっと追いかける、二組がいた。

伯爵家の家族と ユーアティリオと従者だ。

もちろん立ち聞きする気で追いかけてきている。


(指輪なんていつ用意したのかしら?やるわね!)

(先日頼まれたよ。色々用意したのだが、この為だったのだね。)

(さすが我が弟だ!僕も君に指輪を贈った時に悩んだものだ!

渡すタイミングと・・・むぐ・・・口を抑えないでくれ。)

(素敵ねえ~。クロー様のお好みはと女官たちで噂になっていたけど、チェリーみたいな子だったのね!)


頬にキスをするクローディアスを見て、

ああ~頬か~~とがっかりする覗き見の家族たち。(アゲイン)


(それにしてもあいつ、ちっともしゃべらないぞ。もうちょっと甘い言葉でも教えておけばよかった。)

ユーアティリオもやきもきと見守って(覗き見して)いる。


(クローのプロポーズ(再)!)

(おおー。二言もしゃべったぞー!)

(いや、そこじゃないでしょ!?)

(いま、突っ込んだの誰?)

(わーい!お祝いだー!)

(え、返事聞こえた?)

(わかんないけど、抱き合っているみたいだし!)

(あーいい場面が~!もうちょっとだったのに~!)



************************************



 翌朝、手をつないだ、真っ赤な顔のチェリーと頭に花が咲いている無表情のクローが、朝食の為に集まった、伯爵家の家族に報告をした。

テーブルの下で、手をぐっと握る家族。心の中で親指を立てる使用人たち。


「そうか!おめでとう。クローディアス!チェリー!」

「嬉しいわ!娘になってくれるのね!」

「よかった、よかった!結婚はいいぞ!わたしがどんなに結婚がいいものか話をしてあげるので後で部屋に来なさい!」

「まぁ!あなたったら、クロー様とチェリーの邪魔をしないでくださいまし!」

「・・・(コクリ)。」

「・・・あ、ありがとうございます!・・・もうちょっとなわたしでいいのでしょうか?」

「何を言っているんだ、大歓迎だよ!

チェリー、君のおかげでクローが幸せそうだ。こちらこそ、よろしく頼むよ。」

「伯爵様・・・。」

「お義父様とうさまと呼んでくれ。」

「私はママンでお願い♡」

「・・・それはちょっと・・・。」


・・・もうちょっとばかりで諦めてばかりいたわたしなのに、伯爵家の皆さんは喜んでくれるのね。

嬉しい!本当に、もうちょっと嬉しいじゃなくて、すごく嬉しい!

もうちょっと幸せじゃなくて、すごく幸せになれるのかもしれない・・・!

ずっとあきらめないで頑張ればよかったの?

姉のことばかり意識して、すぐ諦めてしまったわたしがいけなかったのかしら。

 でも、日本にはクロー様がいなかった・・・。

あなたと出会うために、もうちょっとの神様がここへ呼んでくれたの?

そっと、クロー様を見上げると、ニッコリと笑ってくれた。


(あなた!クローが笑っているわ!!)

(おお、子供の時以来かもしれない!)

伯爵家の家族と使用人が、部屋の隅にさっと集まって、驚きに手を取り合ってささやきあう。

(おお!私の弟の素晴らしい笑顔が見られるなんて!)

(すごいですわ!チェリーちゃん!)

(お仕えしていてよかった!これぞ神のお導きだ!)

(こんなことがあるなんて!伯爵家に勤めるのは面白くてやめられないわ!)

(他の同僚にも伝えなくちゃ!あ、庭師のおじいさんにも!)


「チェリー、君に出会えて良かった。表情は心が動くと生まれるものなんだね。」

「クロー様・・・。わたしがここに来たのもあなたに出会うためだったのかもしれません。

とっても嬉しい・・・!」

「・・・いつまでも、ずっと俺のそばにいて欲しい。」

「はい。ずっとそばに置いてください・・・。でも、もうちょっとおしゃべりしてくださいね!」

「ああ。君のためなら・・・。」


手を取り見つめ合う二人の距離が近づく・・・。


「あ、ここ食堂だった・・・。きゃあ!」


ふと我に返ったチェリーが、部屋を見渡すと、みんながこっちを見ている。

真っ赤になった顔をクローの後ろに回って隠す。


「ああん、もうちょっとだったのに!」

「いいんだ、続けたまえ。仲のいいのは良いことだ!私も妻といつもしているしな!」


長男夫婦がニコニコと話す。

クローは、コクリとうなずくと、チェリーを抱えて庭に出ようとする。


「!クロー様!朝食です!!ご飯が食べたいです!」

「・・・わかった。・・・クローと呼んでくれ。」

「え、きゅ、急には無理です・・・!」


ショボンとしたしっぽが見えるようだ。


「二人の時に・・・練習しますね。」

「(コクリ)早く二人になりたい・・・。」


ニコリと笑った奥様が、キリッとした声で言った。


「さぁ!朝食が済んだら、ウェディングドレスの用意を始めましょ!

クローは、仕事なのでしょう!さっさと行ってらっしゃい!」

「そうですわ!急がなくちゃ!この間のレースも問い合わせがすごいんです!

チェリーちゃんのウェディングドレス・・・!楽しみですわ!」

「今度はどんなアクセサリーがいいかしら!」


伯爵家の奥様方にメロメロの男性達に勝ち目はなかった・・・。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ