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幼女と騎士

良かった。

俺は生きていたぞ!

焦った焦った。

それで余計に先生やノユたんを困らせてしまった。

焦るノユたん。

淡い光を放つ指を俺の額にあてる先生。

慌てるノユたんを見て慌て始めるおっさん。


色々ありましたが、俺は今日、退院します。



そして、俺はノユたんの背に乗せられ、ギルドに向かっています。

その道中でも町の人は温かな笑顔を向けてくれる。

皆一様に安心したような、そして、微笑ましそうな笑顔を向ける。

俺が病み上がりだと知っているのだろう。

ノユたんとは視線で挨拶するものの声は掛けられなかった。


ギルドに到着。

何となく、いつもと雰囲気が違う。

何だろう?


「おお、来たかね」


いつかのギルド長のお爺様だ。


「早速で悪いが少しばかり話がある。よろしいか?」


よろしいか、とは言っているがどうも断っていい感じではない。

このギルド長の様子からしても何かあったと見るべきか?


「うん」


「行こうか」


俺たちはギルドの奥にある一室へと通される。


そこにいたのは冒険者、だろうか?

屈強そうな男だ。


「では話をしようか」


ギルド長は一拍置いて。


「魔物に遭わんかったか?」


え!ど、どうしよう。これは正直に答えるべきだろうか。

そうするべきなんだろうな。

黙っていても仕方ない。


「はい。遭いました」


「そうか。やはり」


答えたのは冒険者風の男だ。


「おっと、俺は討伐隊の代表を務めているハインツだ。よろしくな」


「各地で魔物の動きが活発になっていてな」


「俺たちみたいのが各地まわってるんだ」


ほう。魔物の動きが活発に、ね。


「見た魔物ってのはどんなだったか、分かるか」


「大丈夫?」


「うん、大丈夫。ウサギみたいな感じ、でした」


「ウサギか。じゃあ、この間討伐したやつらだろうな」


「済まんかったな、呼び出して。君も気をつけなさい」



どうやら、俺を襲ったウサギどもは彼らに討伐されたらしい。


ノユたんはまだ話があるそうで、俺だけギルドの喫茶スペースへ向かう。

と、そこで、見つけた。


「あ、あの!お話いいですか?」


「はぁ?何?ちょっと忙しいから後にしてくれる?」


「は、はい。分かりました」


白い少女だ。

全身を白の装備で固めている騎士風の少女だ。

素材は一体何なのか。


彼女は言葉を残し、受付の方へ行ってしまう。

さて、何て言おうか。



「で?私に何の用?」


幼女に対して言動がキツイとお思いだろうか?

確かに言葉だけならそうだろう。

でも。


「はぁ?何?ちょっと忙しいから後にしてくれる?」と言ったときは俺に視線を合わせるようにしゃがんでくれたし、その後椅子に座らせてくれた。

そして、今も果実水を渡してくれた。


ツンデレなのだろうか?

これは違うのかな?

まあ、いいや。幼女に優しい人なのは間違いない。

おばあちゃんも言っていた。幼女の笑顔は世界の宝だとな。

ってか、ばあちゃん・・・

子どもの俺に何を教えてんだ!

幼女限定だし!子どもの笑顔とか言っとけよな。


「た、助けてくれてありがとうございました」


まずはこれだろう。感謝の言葉を忘れてはいけない。


「何よいきなり。助けたって何の話?」


「ウサギの魔物から助けてくれたんですよね?」


「それは別に私だけじゃないし。私個人に言われても困るわ」


「でも、確かに閉じ込められていたのを助けてくれたわけで」


「待って待って。ホントに何の話?」


一気にまくし立てる俺の背中を落ち着けというように擦ってくれる。


「あれ?じゃあ、人違い?」


「私たちが討伐に行ったのはあなたが見つかったって日より後のはずよ?」


「そうだったんですか。すみません」


「ホントよ。私だって暇じゃないの。じゃあね」


それだけ言って彼女は出ていった。

冷たい言葉に思えるだろう?

俺にもそう聞こえた。

だけど、だけどだよ?

飴玉渡しながらこのセリフですよ?

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