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幼女の探検


突き刺さるように鋭い。

冷たい氷のようだ。


「っておい!そのまんまだろ」


「・・・・・・」


美しく透き通ったその瞳に困惑の色を浮かべ、硬直するノユたん。

しかし、その佇まいは美しい氷像を彷彿とさせる。

ような気もする。


失敗したか?


いやいや。

そんなことはない。


まだ続きがある。

そう。

続きがあるのだ。

あるはずだ!


「ええと、故郷の言葉で綺麗なって意味なの」


「そんな意味があるのか?」


「そうなんだぁ!」


おっさんはちょっと疑ってるな。

それにしても。

ノユたん、チョロいよ!

イージー過ぎるよ!

こうなれば悪い羽虫は全部俺が叩き斬ってくれるわ!


意味はちょっと無理はあったが大丈夫だろう。

音子という字を当てれば間違いではないのだ。

音って綺麗なイメージだし。

方向としては間違っていないはずだ。

決して嘘は言っていない。


ノユたんを守るには力がいる。

そろそろ特訓を再開しないといけないな。



取り敢えず、ねこはギルドに置いていくことにした。

ノユたんたっての希望である。

聞かない選択肢はない。


因みにねこは音子ではなくねこなのだ。

なんとなく。

このほうが柔らかい感じがする。

毛並みはもっともっと良くなるだろう。

そうしたら、もっと撫でる。

そっと、やさしく。


午後の俺の予定はもちろん特訓。

しかし、これは極秘なのだ。

誰にもバレてはいけない。

秘密の特訓。

なんかワクワクするだろ?


秘密にするのは心配を掛けないためだ。

ま、木剣をちょっと振るだけなんだけど。

困るのは場所だ。


ギルドの側、おっさんの店の側はダメだ。

さっきの広場。

人が多いし、何より子どもたちがいる。

そんなところで振り回しては危ない。


う〜ん、適当な場所が思い付かない。

というかそもそも、町のことを良く知らない。


まずはそこからかな。

探検だ!


「嬢ちゃんはこの後どうするんだ?」


「探検!」


「探検か。まあ町の中から出るなよ」


「怪我とかしないように気を付けてね」


おおー意外にすんなりOKが出た。

その疑問が顔に出たらしく、ノユたんが説明してくれた。

この町は町と言ってもそれ程広くはなく、

規模や人々の関係は俺のイメージでは村って言う方が近いようだ。


「みんな家族か親戚みたいな感じだよ」


「へー」


なるほど。

見た目は町で中身は村か。

言われてみれば、

さっきおっさんと歩いた時も

朝ノユたんと一緒の時も

みんな声を掛けてくれたし、

何ていうか温かかった。


こういう環境がノユたんを育てたなら、納得だ。

魔物だっている世界だ。

みんなで助け合ってきたのだろう。

見ず知らずの俺を優しく迎えてくれた。

あの美しく、力強い瞳。

守りたいあの笑顔。


さて、そのための第1の試練が訪れたようだ。

ここどこだろう?

方向は間違っていなかったはずだ!

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