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去り行く何か  作者: 凩
5/5

思い出


「ねえ」


少女が話し掛けてきた。


「ひとりなの?」


「…うん。みんなとあそぶのにがてなんだ」


「わたしも…ひとりでゆっくりあそぶのがすきだなあ」



「そうだ!いっしょにあそぼうよ」


「…いっしょに?」


「そう。きっとたのしいよ!」


「…わかった」




それから、毎日のように俺とアイツ…二人で遊ぶようになった。



「ねえ、カナタの家ってどんな感じ?大きい?」


「え…?」





「…別に。普通の家だよ」


「へえ~!今度遊びに行ってもいい?」


「…それは駄目だ。親が厳しいし、そもそも家の場所がえらい遠いから」


「…そっか…大人になったら遊びに行ける?」


「…多分」





俺はなんとか自分の正体を悟られぬように誤魔化した。


でもある日…




「…カナタ…それってどういうこと…?」


「そのままの意味だ…俺は妖怪。お前は人間。ここで生きることは許されない」


「…嫌だよ…折角初めて友達ができたと思ったのに…!!」


「現実ってのは本当に無慈悲だ。こうやって別れを強いられることだってある…それを受け入れて、強く生きないといけないんだ…俺達は」




「…精々、何かやらかして俺のとこに来るのはやめてくれよ?」







「…え…何か…いる…?」


「…嫌だ…こっち来ないで……誰か…助け…」




ヒュンッ

ザクザクッ


「…!!カナタ…」


「…勘違いするなよ…お前がいなくなるといろいろ困るからってだけだ」


「…それでも嬉しい。ありがと」


「…ほれ、ナイフやるよ。ソイツでそこらのバケモン斬れるからよ」









数十分後。


「…なんてこった…」


「どうしたの?」


「…いや、何でもない」




(…これは…人間か?しかも中学生くらいの…)







…予感は的中した…

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