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去り行く何か  作者: 凩
3/5

侵入作戦


「…何ですかこれ…」

人間界に着いた瞬間、間髪を入れずにショウイチはそう漏らした。

「いや、この辺で合ってるはずなんだが…俗に言う大都会ってやつか?」

カナタは上の空で言った。


立ち並ぶ高層ビル。

四角いタッチパネルを片手に歩く人々。

当然ながら、妖怪であるカナタ達はこの様なものを見た事はない。


ビルの中には、巨大な画面が取り付けられているものもあり、訳の分からない映像が流れていく。



「…何これ…怖い…カナタさん、どうします…?」

「…行くしかねえだろ…」

既に顔から血の気が引いている二人だが、そんなことでは人間界に来た意味がない。

仕方なしに人混みに紛れ込んでやり過ごそうと思ったのである。






それから数十分は経っただろうか。

気付けば人はごっそりいなくなっていた。

ちなみに、現在二人は小さい公園にいる。

偶然空いていたブランコを適当にこぎながら、これからの作戦を練ろうとしていたが、これといって良い案は思い付かず。

「…で、これからどうする?」

カナタは先程コンビニで買ったおにぎりを貪りながら言った。

「…どうするって言っても…」

ショウイチがそこまで言った時だった。





「あの…ブランコ使いたいんですけど…」



声のした方を見ると、カナタと同じ位の身長の少女が立っていた。

服装や髪型を見ると、いいところの娘さんだろう。


「…あぁ、すみません!今退きます!カナタさん、違うとこ行きま…」

「ちょっと待て。お前、見えるのか?俺が」

ショウイチの言葉を遮り、カナタは少女に質問した。

「…え…見えるって…霊的なやつですか?私…霊感とかそんな無いです…」

「本当にか?普通の人間には俺の姿は絶対に見えないぞ。霊感が余程強くない限りは、な」

そう言った瞬間、カナタの表情が変わった。

少し前までの無表情から、何かに怒っているような、でもどこか悲しそうな…そんな表情になった。

「…悪い。今のは忘れろ。俺の勘違いだった…ショウイチ、行くぞ」

カナタはそう言うと、ショウイチの腕を引っ張って公園を出て行った。

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