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去り行く何か  作者: 凩
2/5

幸福とは


「おーい!カナタ!夜飯だよー!!」

ナナミがカナタを呼びに行った。

カナタは、川に小石を投げて遊んでいた。

「…もう時間か。また変なもん入ってねーだろうな」

「んな訳ないじゃん!!そもそも今日の担当幽霊だし!!」

「…幽霊…ああ、ショウイチか…彼奴なら平気か」

以前味噌汁に変な薬を入れられて以来、カナタは食事の時にいつもそう言う。

当時はナナミ担当だったからだろう、かなり怪しんでいる様子だ。


「遅いですよ~カナタさん…もうだいぶ冷めちゃいましたよ~」

カナタが部屋に入るとほぼ同時に、ショウイチがそう言った。

確かに、料理から湯気が立っていない。

「ショウイチ~聞いてよ~!!カナタがショウイチのニックネーム忘れてたんだよ!?酷い奴だね~」

「カナタさん…かなり傷付いたんですけど…」

ショウイチはそう言うと、涙目でカナタに視線を移した。

ちなみにショウイチもカナタもホモではない。

「分かったから泣くんじゃねえよ」

カナタにストレートに言われて、ショウイチは「はっはい」と言うとご飯を掻き込んだ。



「ごちそうさまでしたー!ショウイチ味付け上手いね!」

「ごちそうさん。今日のはなかなか良かったと思うぞ」

ショウイチは、初めて料理で二人に褒められたのが嬉しかったのか、

「ありがとうございます!」と笑った。



「カナタさん?どうしたんですか?」

ショウイチはカナタの部屋に入るなり、驚いた。

カナタはいつも通りの服装ではなく、黒マントに赤いスカーフ、黒短パンという"閻魔大王"の格好になっていた。

「ん?ああ、見ての通りだ、魔力を貯めてる。明日は人間界に侵入してやろうかと思ってな」

そう言うと、カナタは薄ら笑いを浮かべた。

滅多に笑わないカナタが笑った。これは相当面白いことを考えているに違いない。

「…一人は危険ですよ…折角だから僕も行きます。ナナミさんも呼んできましょうか?」

ショウイチは忠告の意味も交えて言った。

「…いや、いい。お前だけついてこい。人数は少ない方がいい」

カナタは意味ありげな言葉を残すと、一人どこかへ向かっていった。


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