もし、未来がわかるとしたら
「ねえ。おなかすいた」
彼女の要求に、苦笑気味に「はいはい」と答えたのは同じくらいの年齢の女性。同じ金髪だが、顔立ちはあまり似ていない。女性は彼女の前に焼きたてのマドレーヌとミルクティーを出した。彼女は笑顔でそれをほおばり、ミルクティーに口をつける。
「んー。ニコラのいれるミルクティーは美味しいわねぇ」
「ありがとうございます」
しみじみとした様子で言う彼女に、「ニコラ」と呼ばれた女性はやはり苦笑気味に礼を言った。
彼女、エリン・ラファティは軟禁されていた。いや、軟禁というのは少し違うかもしれない。実際に、エリンは活動拠点であるロンドンを離れ、エディンバラにあるホテルの一室にいるからだ。こうしている以上、軟禁という言葉はふさわしくない。
しかし、活動が制限されているのも事実だ。どこに行くにも護衛という名の監視が付きまとう。この生活がもう13年。さすがに慣れた。
エリンは、意外とこの生活も悪くないと思っている。逃げ出そうとしない限りは、割とわがままが通るし、護衛たちは優しい。3年の付き合いになる護衛の1人、ニコラ・ローレンスとは2歳しか年が違わないのもあり、友人のような関係を築けている。だから、そんなに悪くないと思う。
「エリン。新聞、買ってきたよ」
「おお~っ。待ってました!」
エリンはグイッとミルクティーを飲みほし、入ってきた女性が置いた新聞の山に手を伸ばす。早速それを広げて読みだした。
「お疲れ様です。リネット」
「これくらいのわがままはかわいいものよ」
リネット・オブライエンはそう言って微笑んだ。本人が聞いているのにそんなことを言うとはいい度胸である。まあ、気にするエリンではないが。
「ニコラ。この子は私が見ているから、あなたは休んでていいわよ」
「え、でも」
「大丈夫よ。今日の所はここでおとなしくしてるからー」
エリンが新聞から顔をあげて言うと、ニコラは「じゃあ、お言葉に甘えて」と控えの部屋に入って行った。リネットはエリンに言う。
「外、雨が降ってきたわよ。エリンの予知は相変わらずね」
自分の能力を示唆される言葉を言われて、エリンはふんっとリネットから顔を逸らした。
その力のせいで、エリンはこんな生活を強いられているのだから、顔をしかめたくもなるというものだ。
――*+○+*――
ニコラ・ローレンスは現在20歳。とある少女の護衛をしている。少女と言っても、ニコラより2つ年下の18歳だ。年が近いので、話し相手も兼ねてニコラが彼女の護衛に選ばれたらしい。今年で3年目になる。
護衛対象はエリン・ラファティという。淡い波打つ金髪を腰まで垂らし、アメジスト・パープルの釣り目気味の少女だ。顔立ちは文句なしにかわいらしいのだが、性格がひねくれている。まあ、事実上の監禁生活を13年も続けていれば、性格もひねくれるだろう。
ちなみに、ニコラとエリンは背格好が似ているので、ニコラが影武者をすることが何度かあった。正面から見ると全然違うので、すぐにばれるが。
ニコラの濃いめの金髪はストレート。腰まであるが、たいてい結われている。何より違うのは目だ。エリンがアメジスト・パープルなのに対し、ニコラはアクアマリン。エリンは割とぱっちりした目元をしているが、ニコラはアーモンド形の切れ長だ。ちなみに、エリンは目じりに泣きぼくろがある。
エリンはビスクドールのような顔立ちだが、ニコラは氷の彫刻みたい、と言われることがある。大きなお世話だ。
このホテルのスイートルーム。最奥の部屋にはエリンがリネットともにいる。その一つ手前の部屋が護衛たちの控室になっている。そこには、男女4人の護衛がいた。
「ニコラ。お嬢の護衛はいいのか?」
「リネットに代わってもらいました」
ニコラは微笑んでそう言うと、空いているソファに腰かけた。始めに話かけてきた男がそのままニコラに話を振る。
「お嬢の様子は?」
「相変わらずですね。擦れたような発言をするのに、妙に素直で。今は新聞を読んでます」
「活字中毒は顕在か……」
彼はユージン・ウェイレット。エリンの護衛を務めて10年になるらしい。ニコラの先輩だ。人当たりがよく、顔立ちもそれなりに整っている。明るめの茶髪にジェイドグリーンの瞳をした男だ。
ユージンによるとエリンは暇さえあれば本を読んでいるらしい。本というか、文字を。なので、彼は彼女を活字中毒だという。
とはいえ。ひねくれて活字中毒だという以外、エリンは「わきまえた」少女だった。何をわきまえているかというと、立場だ。
脱走などしたことは無いし、わがままも通る範囲。無茶を言って護衛を困らせることもなければ、するなと言われたことはしない。その代り、嫌味は言う。
彼女は、今の場所を追い出されれば、自分が生きていけないことをわかっている。彼女の能力の性質上、1人でいたらすぐに捕まって売り飛ばされてしまうだろう。彼女は見目もいい。
今回、旅行がしたい、と言い出したのはエリンだ。もちろん、それが通ることをわかっていたのだろう。5泊6日の予定で旅行をもぎ取った。もともと、エリンは有事でなければ暇なのである。まあ、普段屋敷に拘束されているのだから、たまには旅行に出してもいいんじゃない? というのがニコラの意見だ。
「さっき見てきたが、外は雨が降ってるな。エリンの予知が当たった」
眼鏡をくいっと押し上げながら言ったのは細身の青年だ。青年と言っても、ユージンより年上。サイラス・オブライエンである。年は30代半ばの、護衛の中では最年長。ちなみに、リネットの旦那。リネットの旧姓はユニアックと言うらしい、ちなみに。
サイラスは理知的な容貌で、優しげなリネットと並ぶとお似合いだ。漆黒の髪にスカイブルーの瞳の美形。ニコラは彼の方が氷の彫刻みたいだと思う。
「むしろ、エリンの予知って外れるんですか?」
ふと疑問に思ってニコラは尋ねる。ニコラの記憶の中では、彼女の予知が外れたことは無い。
「あるわよぉ。予知夢が外れたところは見たことないけど、いくつか外したものがあるはず」
「それでも、的中率は90%をマークしてるからね。今までの予知能力者に比べれば、格段に精度が高い」
この2人はファニーとグレン・アリスンである。双子らしいが、まったく似ていない。まあ、二卵性だし、当然か。一応補足しておくと、女性がファニー、男性がグレンである。たぶん、2人とも20代前半だと思う。
「だからこそ、あの子は国家に拘束される。未来がわかれば怖いものはないからな」
サイラスが静かに言った。にわかに沈黙が降りる。
エリン・ラファティには予知能力があった。それは予知夢だったり、突然未来の情景が見えたりさまざまらしいが、グレンによると9割がた当たるらしい。
そんなエリンが政府に『保護』されたのは、彼女が5歳の時だそうだ。それから13年間、彼女は自由を拘束される生活を送っている。
リネットとサイラス夫婦がエリンを「あの子」と称するのは、この夫婦がエリンを育てたに等しいためだ。最も、エリンが引き取られた当時はまだ夫婦でなかったそうだが。
予知能力を独占するために拘束されているエリン。そんな彼女が比較的心を開いているのがリネットとサイラスである。2人にとっても、エリンは子供のようなものなのかもしれない。
「まっ。俺達に出来ることは、お嬢に『拘束されている』ことを気にさせないようにすることだからな」
ちょっと違うと思う。そう思いながらも、ニコラはツッコまずにユージンに微笑んだ。
――*+○+*――
翌日、エリンは張り切っていた。
「さあっ。今日はお昼に通り雨が来るだけ! 観光に行くわよ!」
ちゃっかり予知をしてエリンは言った。ちなみに、エリンのこの予知能力はすべて超能力に基づくものだと思われているようだが、実際は違う。エリンの膨大な知識によってはじき出された答えもある。天気予報などがそうだ。まあ、予知能力を補助に使っていることは否定しない。
さすがに6人とも護衛にぞろぞろついてこられては邪魔だ。しかも、目立つ。なので、年が近いニコラとファニー、グレンを一番近くに置こうとしたが、グレンに拒否られた。理由を問うと。
「女性3人の中に、僕1人ってのはねー」
らしい。サイラスに「お嬢様の護衛ということで、全員ついて行けばいいだろう」と言われたが、断固拒否。アリスン双子ではなく、オブライエン夫婦とニコラをついてこさせることにした。リネットはともかく、サイラスがなんだか浮いているが、まあいいか。
「どこに行くんですか?」
ニコラに尋ねられ、エリンは声を上げる。
「えーっとね。アーサー王の玉座も行きたいし、スコットランド国立博物館も捨てがたい……でも、まず王立植物園」
「……渋いな」
「サイラスに言われたくないわ。一面のお花畑とか、いいじゃない」
「夢を見過ぎだ」
「何よぉ」
エリンはむくれた。どうしても、育ててくれたサイラスとリネットには甘えたくなってしまう。自粛しようとは思っているのだが、なかなか難しいものだ。
王立植物園までは路線バスで行ってみた。移動には必ず護送車か! と突っ込みたくなるような車を出されるエリンとしては公共交通機関を使っての移動は新鮮だった。
「いいわねぇ、こういうの。普通の生活してみたい」
思わずそうつぶやくと、リネットにぎゅっと抱きしめられた。あの、ここ、外なんですけど。ニコラはともかく、サイラスにも微笑ましげに見られているのが気になる。
植物園に入ると、エリンはとにかく興味のある花を回りまくった。あまりにも熱心に見ているように見えたらしく、職員の人に植物について研究しているのか、と聞かれた。違います。興味があるだけです。
植物園を出るころ、ちょうど昼ごろとなった。エリンは顔をあげて、すでに曇ってきていた空を見上げる。どうやら、今日もエリンの予知は当たるようだ。
「降りだしそうね。ちょっと早いけど、先にお昼にする?」
「賛成」
リネットの提案にエリンは手をあげて賛成をしめす。この集団はエリンのために集まっているので、エリンが賛成すれば、たいていのことは通る。エリンはめったに無茶を言わなかった。
近くにカフェレストランがあったので、その店に入ると、タイミングよく雨が降ってきた。後ろからついてきている組が心配だが、雨に濡れたくらいで風を引くような奴らではないので大丈夫だろうということにしておく。
並んで座ったニコラと額を寄せ合ってメニューを見る。オブライエン夫妻は微笑ましげにその様子を見ていた。エリンとニコラが普通の少女だったら、ここで写真を取られていただろう。
しかし、この2人、特にエリンは普通の少女ではない。写真を撮ることは政府から禁止令が出されている。どこのスパイだ、私は。
昼食をとりながら、エリンはふと思った。
「そう言えば、サイラスはよく女ばっかりの中で平然としていられるわね」
「まあ、お前もニコラも娘みたいなもんだからな」
「私もですか……」
ニコラが苦笑した。サイラスとリネットは、エリンが政府に引き取られた時から世話をしてくれている。そういう意味で、サイラスにとってエリンは娘のようなものだ。まあ、若いけどね。そこに、ニコラも含まれることになったらしい。
昼食を終えるころには雨が上がっていたので、街を散策することにした。普段、自由に歩き回れないので、こういう散歩も楽しい。
「楽しそうね、エリン」
リネットに微笑ましげに言われたが、気にしない。
「あまり出歩けないもの。楽しまなきゃ損だわ」
「それもそうね」
リネットはやはり微笑ましそうだ。
普通の生活をしてみたいとは思うものの、エリンは今の状況も悪くないと思っている。普通の生活はできないが、周囲にいる護衛たちはみんな優しい。時折、強制的に未来を見させようとする政府は気に食わないが、彼らがエリンの身の安全を守ってくれているので特に文句も言えない。少々わがままなところはあるものの、エリンは政府としても扱いやすい能力者のようだ。
久しぶりに自由に外を歩き回る許可をもらったのだ。できるだけ遊ばなければ損、とばかりに、エリンは毎日エディンバラを歩き回った。
そして観光最終日。その日も遊ぶつもりだったエリンだが、朝食を食べているうちに気が変わった。
「今日は外に出ないわ。できるだけ早く、ロンドンに帰りましょう」
ともに朝食をとっていたニコラが驚いた表情になる。
「どうしたんですか? 今日は聖ジャイルズ大聖堂に行くって張り切ってたじゃないですか」
「んー。何となく、エディンバラを早く離れたほうがいい気がするの。どうせなら観光列車に乗って帰りたいわ」
ここでエリンのわがまま炸裂。サイラスがちゃちゃっと手配してくれた。エリンの勘はよく当たるので、みんな早くエディンバラを離れることに納得してくれたようだ。
だが、少々行動が遅かったらしい。部屋を出ようとしたグレンを、あわてて呼び止める。
「グレン! 待ちなさいっ!」
「え?」
と言いながら少々天然のきらいのあるグレンは部屋のドアを開けてしまった。ああ、もうっ!
「伏せなさい!」
そう言いながらエリン自身も伏せる。銃弾が雨のように降り注いだ。グレンがあわててドアを閉じる。それだけ近くにいて、なんで無傷なんだお前は。
「みんな、怪我はないか?」
護衛チームのリーダーであるサイラスが確認する。全員「大丈夫」と答えた。
「エリン、さがれ。ニコラ、エリンを頼む」
「了解です」
サイラスに頼まれたニコラが、エリンを部屋の奥に引きずり込んだ。しかし、一応エリンも銃を手にする。エリンは左手をこめかみに当てた。
「30秒後、手りゅう弾が来るわ。リネット」
「了解」
できるだけ未来を見てエリンはみんなをアシストする。護ってもらっているのだから、当然のことだ。
「あと10秒」
リネットが手を前に出した。その掌に魔法陣が現れる。二重円状の魔法陣は内側の円と外側の円の間に文字が並んでいる。文字や数字が並ぶ魔法陣は高度な魔方陣になる。エリンはカウントを続けた。
「あと5秒。4、3、2、1」
扉が爆発した。その瞬間、リネットの魔法が発動する。不可視魔法障壁だ。爆発は、リネットの魔法障壁に阻まれ、エリンたちの元まで届くことは無かった。
「グレン、ファニー! 右手から増援が来るわ。到着まで約45秒!」
「了解。片づけるわ」
爆発の衝撃が納まると、ファニーがグレンとともに外に駆け出ていく。
「あ、ユージン、そこから動かないで」
ファニーたちについて行こうとしたユージンをあわてて呼び止める。するとその瞬間、ユージンの側を閃光が走った。ユージンがエリンに呼ばれて足を止めなければ、諸にその光魔法を食らっていたはずだ。それでひるむユージンではないが。
「やってくれるなぁ。こっちがむやみに魔法を放てないことを知ってやがる」
「と言うことは、エリン狙いでしょうか」
ユージンの発言を受けて、ニコラが不安げにエリンの顔を見た。しかし、エリンは手をパタパタ振る。
「それだけとは限らないわよ。『アレ』が狙いの可能性も無きにしも非ず」
「……難しい言葉を知っていますね」
ニコラがごまかすようにそう言って苦笑した。何をごまかしたかったのかはわからないが。
「……じゃあ、両方とも前に出してみるか。ニコラ、あの剣を使え」
「ええっ。いいんですか?」
サイラスの指示にニコラは戸惑う。できるだけ秘匿しておけ、と言うのが政府の指示だからだ。
「この状況で秘匿も何もないでしょう。『アレ』と私。2つが同時にいれば、彼らがどっちを狙っているのかすぐにわかるわ」
「そのためには、ニコラに前に出てもらわなければならないが」
「……それはいいですけど」
いい笑みのエリンと、無表情のサイラス。ニコラが、エリンとサイラスの顔を見比べるように見た。
「ええ。私たちもアシストするわ! 思いっきりやっちゃいなさい」
エリンの物言いにニコラは苦笑する。サイラスがニコラに銀の装飾剣を手渡した。
聖剣エクスカリバー。
伝説に基づいて作られた『本物』の聖剣。この剣は使う人を選ぶ。例えば、エリンやサイラスが力ずくで抜こうとしても、剣は鞘から抜けない。だが、ニコラには造作もなく剣を抜ける。彼女が剣に選ばれているからだ。
ニコラがエリンの護衛に選ばれたのは、この剣の所有者であることも大きい。
聖剣である以上、エクスカリバーは強大な力だ。同時に、護らなければならない剣でもある。つまり、護る対象であるエリンとエクスカリバーを一緒に護れるように、エリンの護衛としてニコラは配属された。
唯一の持ち主として聖剣の携帯を許されているニコラだが、いつでも自由に使えるわけではない。当たり前だが、使用には許可がいる。
ニコラ以外のエリンの護衛5人のうち半数、もしくは、エリンと護衛の中の1人の許可がいる。エリンにそれだけの大権が与えられているのは、政府には彼女に対する負い目があるからだろうか。たぶん、違うだろうな。
ニコラがエクスカリバーの鞘から剣を引き抜く。
そこからはニコラの独壇場だった。エクスカリバーは魔法で鍛えられている。そのため、かなり強力な魔法道具でもあるのだ。
「きゃっ」
ニコラに気を取られていたエリンは、背後から羽交い絞めにされた。近くにいたサイラスがとっさに銃を向けるが、エリンが邪魔で撃てない。
「エリン!」
「はいはいッ!」
エリンは身を沈めると、自分を羽交い絞めにしていた相手に掌打を食らわせた。そして後ろから迫ってきた男に回し蹴りを食らわせる。肩に銃弾を食らわせると、男は「ぎゃっ」と悲鳴を上げておとなしくなった。
「終息した?」
「こっちは大丈夫だ」
エリンの問いにユージンから返答があった。リネットが魔法で襲撃者たちを縛り上げていく。エクスカリバーを手に持ち、ニコラがこちらに戻ってきた。
「結局、これとエリン、どっちが狙いだったんでしょうか?」
ニコラが首をかしげてサイラスに尋ねた。さあな、と答えるサイラスは無責任だが、それを考えるのはエリンの護衛である彼らの仕事ではない。
「とにかく、俺達の仕事はエリンと、ついでにそのエクスカリバーを護ることだからな」
エクスカリバーはついでらしい。ちなみに、所有者は守られないらしい。仮にここでニコラが死んでも、次の所有者が現れると思われるからだ。
そう考えると、ニコラがエリンの側にいるのはむしろ、安全なのかもしれない。護衛が多いからだ。いや、ニコラも護衛だけどさ。
「後始末は派遣されてくる政府の連中に任せろ。とにかく今は、エリンを連れてロンドンに戻るぞ」
「了解」
サイラスの指示に、護衛たち全員がうなずいた。事情聴収をされるだろうが、こちらはエリンを連れている以上、正当防衛として処理される可能性が高い。しかし、エリンはため息をついた。
「また軟禁生活かぁ……」
「監禁かもしれないわよ」
ファニーがからかうように言った。ありうるような気がして、エリンは言い返せなかった。
自由を感じたくて旅行に出たのに、その旅行先で軟禁が決定するとは……。
どうやら、エリンは生まれた時から自由とは縁がないようだ。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
これは、現在当サイト様で連載中の『繰り返す、その世界』と同じ世界観になります。時代的にはこれのほうが少しあとですかね。
実は、『繰り返す、その世界』よりも先に出来上がった作品です。
予知的中率90%越えのエリンと聖剣の使い手ニコラ。もしかしたら、続編を書くかもしれません(笑)




