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高宮財閥跡継ぎ殺人事件(1/4)

4分割してお送りいたします。

覆面パトカーの中は静かだった

時折、警察無線が部屋を駆け巡るがその程度であり、

罪状等を効く雰囲気ではなかった

(なんというか、報道で流されてるときの犯罪者の気分がわかるような気がする)

そんなことを思っていながら、千葉県警千葉東警察署についた私は

逮捕ということで、形的にだが手錠をされているわけで

その手錠は見えないようにハンカチでくくられていた

報道とかが居るものかと思っていたが、なぜか一人も居ることはなかった

(報道規制でもかけてるのかしらね)

私の相棒マイは家においてきてしまったから私一人なのだが

当たり前のように、取調室1と書かれた部屋へと入っていった

入った瞬間の感想として

(うあ、ドラマとまるっきり同じ)

灰色のワーキングデスクと折りたたみパイプ椅子

もちろん、捜査官だけはクルクル回るチェアーって言われている物に座っていた

「私もその椅子がいいな」

ボソリとつぶやくと

「何か言いましたか?」

と、吉田警部補は聞いてくるが

「いいえ、何でもありません。そういえば、罪状は何ですか?」

キィと、音を立てて座る吉田警部補

ため息をついて、やっと言葉を出した

「高宮雅子ご存知ですね?」

「えぇ、先日お宅を訪問いたしました」

「その、高宮雅子が昨日何者かによって殺されました」

なるほど、それで私が容疑者となったわけか

普段誰とも会わないような人だったから

「ふむ、で私が殺したという証拠があったんですね?」

吉田警部補の懐からパッキンつきのビニール袋の中には

ばらばらになった何かの部品が入っていた

「これ、ご存知ですか?」

知らないといったら、嘘になるし

確か、これは私が刀で切り捨てたTT-33トカレフの部品だと

認識した

「申し訳ありませんが、私も探偵なので『守秘義務』を執行してもよろしいですか?」

はぁ、とため息をつく吉田警部補

しかし

強く机をたたき

「アンタ!なにしでかしたか解ってんのか?!銃を所持していたことを何で

警察に言わなかった!!」

そっちか

と、心の中で笑ってしまう私

「・・・」

「答えろ!アンタが、高宮雅子をやったのか?!え!どうなんだ!証言も取れてるんだ!」

「その、証言は高宮 真人と妻の愛美ですか?」

「・・・そうだ、解ってるなら話が早い」

ドスッと立っていた吉田警部補は重力に任せて椅子に座った

「線状痕の特定はすんでるんですか?」

「まだだ」

「なら、今お話しすることはありません。私にも、黙秘権がありますし」

チョイチョイと手招きをして顔をよらせ

「吉田警部補、本当に私がやったと思っていますか?」

深いため息をつく吉田警部補

観念したように呟く

「・・・はぁ、さすがですね。あくまでも、形として逮捕しただけです。他の件で。

私の、演技も見破ったんですか?」

「いえ、迫真の演技でした。本当に、私が逮捕されたのかと思いましたけど、

釈然としないのが2つ、1つ未だに線状痕の特定がまだされていないのに私を逮捕したこと

2つ、状況証拠だけで私の裏付を取っていないという部分。どうしても矛盾してるんです

こんなことで、逮捕状が降りるとは思いません」

「そうなんです、私は反対したのですが――」

その時、勢いよく入ってくる男が居た

「吉田、お前はもういい下がってろ」

「は!はい」

3人ほど入ってくると、なにやら機材を持ち込んできた

「高間 真夏だな」

どこかで見たことがある、男だと思ったら

今思い出した。私を事故に追い込んだあの警察官だ!・・・いや、勝手に事故ったんだっけ

「どこかで聞いたことのある名前だと思ったら、国際指名手配犯の『高間真夏』と同じ名前

なんて、珍しいと思ってな」

「今回の事件とどのような関係が?」

「ないかもな」

「別件逮捕ですか?警察官としての自覚があるのでしょうか?誤認逮捕ならあなた訴えますよ?」

勝ち誇ったように、胸を上げ

「ふん、お前が事故を起こした後の消息がないんだ。生きているかもしれないというのは

当然あるだろ?」

「そうですね、で?どのようなことをするのですか?」

「ふふふ、こいつだ」

取り出した大き目のスーツケース

見てすぐにわかった

「ポリグラフですか?」

「知ってるのか?」

「えぇ、嘘をつく事で緊張し、呼吸の増進・脈拍数の増加・発汗により皮膚電気抵抗の低下が見られるという理論に基いて、嘘かどうかを判定する装置。でしたよね。でも、

訓練されている人が、それをしても意味がないのご存知ですか?」

「やってみるがいいさ」


そして、心拍数・血圧・呼吸・電気伝導率を計る装置をつけられた

もちろん、私には脈も血圧もないので擬似的に作り出しているわけで

この、ポリグラフはまったく意味を成さない

「どうぞ。ご質問を」

「すべていいえで答えろよ」

私は、微笑みながら

「いいえ」

と、嫌味を言う

「チッ、お前は高間真夏か?」

「いいえ」

バッと測定官のほうを見ると

嘘という反応があったとうなづいた

「お前は、エレベストに上ったことがある?」

ハイにしておこう

「いいえ」

その答えたとき、測定官が驚きの顔をしていた

測定器には嘘という反応だったからだ

「よし、次だ。お前は、指名手配犯の高間真夏だな?」

「いいえ」

測定官を見るが、首を振るだけだった

「お前は!数十回と官庁内のサーバにアクセスをしたな!」

「いいえ」

やはり首を振る

「くそっ!お前が指名手配犯だろ!!」

「いいえ」

いきなり、襟首をつかまれ

「貴様なんだろ!?え??」

私は、ニヤッと笑い

「いいえ」

と答えるだけにした

「やっぱり、こういう行為で誤認逮捕や強要自白ってなるんですね。

勉強になりました、ちなみにこれ以上やると。私、あなたを

、刑法204条で訴えますよ?あぁ、223条でもいいですね」

刑法204条は傷害罪である

そして

刑法223条は強要罪である

「へっ、やって見やがれ。証拠なんてないんだ」

「そう、後で泣きを見ないように祈っていてくださいね」

もちろん。この会話は私の内臓コンピュータに記録されている

言い逃れは出来ないだろう

「それより、本題に入ってほしいので。出て行ってくださいませんか?」

「貴様、俺に指図するつもりか!」

「えぇ、私も忙しい立場なんで。誤認逮捕は速やかに終わらせてほしいわけです」

「はっ、どうせ、お前がやったんだろうが。精々悪あがきでもしてるんだな」

捨て台詞を言ってから、その男は出て行った

「あの人、警部から出世はしないでしょうね。下手すれば・・・まぁいいわ」


結局、私はその日警察内の留置所に入れられた

情報端末のような私にとっては、頭の中にインターネットが出来るパソコンがある

ようなもので、この所轄のデータベースにハッキングしたり

調書や裁判所に提出された証拠類のデータなどを見ながらすごしていた

改装して間もないこの警察署の留置所は快適に過ごせた

最近はオートロック方式で鍵など使われていない

抜け出そうと思えばすぐにでも抜け出せるが、事を大事にしたくないために

おとなしくしていた。

とりあえず、カイムには連絡を入れておいたけど、なんだかぜんぜん心配なんてされていなかった

それがちょっとだけショックだったのだが。食事の要らない私でもとっておかないと

怪しまれるため、とるのだが。

でも、困ったことに食費とかは私持ちらしい・・・そのぐらい

出してもいいと思うが


そして、夜が明けた。



2日目に続く



留置所でも、のんきにしている真夏

ハッキングも終わったようで、次にすることといえば

やっぱり!

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