新しいクラス
オレは、世界の終わりの夢を見る。
絶望と共に訪れる終焉・・・。
人類は死に、人の命は初めて平等になるのだ。
そんな世界を夢に見る。
入学式の翌日の朝。
「(・・・眠い。)」
大森陽太郎は呟いていた。
男子にしては少し長めの髪。全体的にやる気がなさそうで、ボーっとしている。『くま』がやけに濃い。
彼は桜ケ丘高校の新入生。ほぼ全てにおいて「普通」の男である。
それは身長、体重、運動神経、学力などなど・・・。
クラス分けも終わり、前の黒板側から見て廊下側の前から3番目に座っていた。
「(同じ中学の奴がいねえ・・・。)」
「おーい、もりー。起きてるかー?」
「(いやがった・・・。)」
前の席に座っている彼女の名前は大島園花。
短めの髪にメガネ。強そう・・・というか負けず嫌いオーラのでてる眼光。
メガネなのに強そう、といろいろギャップのある人物である。
そのくせ、何気にモテる。
中学一年の頃に同じクラスだったが、それ以来付き合いはなかった。
「その呼び方はやめろ。」
「なぜに?」
「ハズい。」
「ふーん。そーか。」
「もりーにそんな感情があるとは!はっはっは!。」
「てめえ・・・。」
大森はやめろと言いかけて面倒くさくなって、寝た。
ガラガラガラ
「おはようございやーす」
先生が来た。なんか気さくで話しやすそうな印象である。
というのも、ヒゲもがぼーぼーで服とかもよれよれだからだ。
「出席をとりやーす。・・・皆いるな。OK。」
テキトーだな・・・とクラスの大半が思った。その時、
「ちょっとまった先生!三浦大将が休みです!」
「それは君っすよ。」
「ふっふっふ。オレの名を覚えていたか!そりゃそーか。有名人だからな!」
真ん中の席の方に完璧浮いてる奴がいる・・・。面倒くせえ・・・。誰だよ・・・。
「元気がいいっすね。さ、席についてください。」
「おう!」
「おっと、自己紹介が遅れやしたね。鈴木聡っす。よろしくお願いしやーす。」
なぜか先生という感じがしない。フリーターと言ったほうが、まだ合うような気がする。
「ということで。このクラスでやっていくことになりやした。よろしくお願いしやーす。」
「「「よろしくおねがいします」」」
このクラス、本当に大丈夫なのか?と思う、初日のHRであった。