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【実話怪談】ベランダのおじさん

作者: 細川ゆうり
掲載日:2025/11/09

いつもは創作の話を投稿しているのですが、

今日は少し違う話をさせてください。


これは、私と妹が体験した“実際にあった出来事”です。


あれは、私が4歳のころのことです。


当時、私は妹と両親の家族4人で

古いアパートに住んでおりました。

部屋は少し薄暗く、外からはいつも風の音がしていて――

幼いながらに「なんとなく怖いな」と

感じる場所だったのを覚えています。


その日の午後、私たちはおままごとをして

遊んでいました。

すると、妹が急に動きを止めて、

窓の方を指差したんです。


「……おじさんがいる」


最初は冗談かと思いました。

けれど、カーテンの隙間から外をのぞいた

瞬間、私は息をのみました。


――窓に、顔が張り付いていたんです。


ガラス越しに、白く濁った目。

無表情のまま、じっとこちらを見ていました。


呼吸の曇りも、瞬きもない。

ただ、口だけがゆっくりと動いている。


「あ……けて……」


声は聞こえない。

何故か、頭の奥でその言葉が響いた気がしました。


私と妹は同時に泣き出して、母を呼びました。

母が慌ててやってきて、勢いよくカーテンを開けると――

そこには、もう誰もいませんでした。


けれど、窓の外側には手の跡が

くっきり残っていたんです。

大人の男の手。

外から押しつけるように、五本の指がはっきりと。


母は「気のせいでしょ」と笑いながら拭き取ろうとしましたが、

その手形は、何度こすっても消えませんでした。


その夜、妹は高熱を出してうなされました。

「またいる……」と泣きながら、窓の方を指さして。


私も怖くて布団をかぶっていると、

――トン、トン。

窓を叩く音が、静かな部屋に響きました。

ゆっくり、一定の間隔で。

まるで“中の様子をうかがう”みたいに。


翌朝、母がカーテンを開けると、

ガラスには無数の小さな手の跡がついていました。

まるで夜のあいだに、何度も何度も叩かれたように。


……あれから何年も経ち、

私たちは大人になりました。


つい先日、妹と昔の話をしていて、ふと思い出したんです。


「ねぇ、あのときのおじさん、覚えてる?」


妹は顔をこわばらせ、ゆっくりとうなずきました。


「覚えてるよ。窓に張り付いてたよね。」


あとになって母から聞いたんですが――

あのアパート、以前“自殺した人がいた”そうです。


……私たちが見た“あのおじさん”は、いったい誰だったんでしょうか。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


この話は、私が四歳の頃に本当に経験した出来事をもとに書かせていただきました。

思い出すたびに、今でも背筋がぞっとします。


もし少しでも怖いと感じていただけたら、

☆評価やコメントを残していただけると嬉しいです。


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― 新着の感想 ―
見ちゃったパターンですか! 見えちゃうと怖いでしょうね~ 私いるのは分かっても見えないパターンで良かったです‥
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