夜明けの朝日
ざざーん、ざざーんと波の音が響く。
夜の海岸に座り、いつの間にか空が明るくなるのを待っていた。
彼と喧嘩をして、勢いで家を飛び出してしまったのだ。
夜道を歩きながら「危ないかな」「襲われたらどうしよう」と不安はあったのに、それでも素直に帰れなくて。プライドなのか、意地なのか――心のどこかで「追いかけてきてくれるかも」なんて、乙女じみた期待までしてしまっていた。
あてもなく歩いてたどり着いた海岸。
星の映る海を眺めているうちに、時間は過ぎ、気がつけば空が白み始めていた。
「ぐすっ……」
わたしが悪いのに。どうして探しに来てくれないんだろう。そんな身勝手な思いが胸を締めつけ、涙があふれる。
そのとき――。
「みつけたっ!」
息を切らせながら、彼が駆け寄ってきた。
「ほんっとうに、心配した……」
そう言って抱きしめてくれる。温もりに包まれた瞬間、堰を切ったように涙があふれ、震える声で「ごめんなさい、ごめんなさい……」と繰り返すしかなかった。
やがて落ち着いた頃、水平線の向こうから太陽が顔を出した。
海面を照らす朝日が、まるでわたしたちの仲直りを祝福してくれているようだった。
読んでいただきありがとうございます。
皆様は、海から朝日がでてくるところを見たことありますか?
わたしはありません。1回だけでもいいので見てみたいですね。




