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第3話「敗者はわがまま姫と会う。」

放課後。今日も何事もなく1日が終わった。普通はここから部活に行ったり友達と遊びに行ったりするのだろうが、俺はそんなことはない。今日もどこにもよらずに家へ帰る。家は良い。他の誰も気にせず自分の趣味をすることができる。はぁ…早く家へ帰りたい。そんなことを思いながらウキウキで校門を出ようとしたとき、俺は忘れ物に気づいた。

「ない………!?あれが……!!!ない!!!」

俺は大慌てで教室へ戻った。あれを忘れるんて…!!俺は焦りながら乱暴に教室のドアを開けた。

「ない…!!ここにも……!くそっ、!!どこ行きやがった…!!」

どこにもない。俺のロッカーにも、机にも、どこにもない。どこだ…!!どこいった!?

「お前の探し物はこれだろ?」

後ろから声がした。良く通る、透き通ったいい声だ。

「誰だ!?!?」

「う〜ん強いて言うならお前の前の席の人、ってとこかな。」

振り返るとそこには、腰まで伸びた綺麗な白髪をなびかせた、美人の女性がいた。このクラスに白髪なんて一人しかいない。そう…

「や、八雲さん…?!」

「だいせーかーい!」

八雲輝空!?!?なんで八雲さんがあれを持ってるんだ!?そもそもなんでこんな時間にこんなところに…!?

「お前のこのノート、読ませてもらったぜ。ほんっとうに最高だった!やっぱり俺にはお前しかいねぇ!」

何を言ってるんだこの人は!?俺のあれを……!作詞ノートを読んだのか!?なんのために!?え、マジでなんで!?というか俺のあの歌詞が最高だって………?

音戯根音(おとぎねおん)っ!俺と…!バンドを組んでくれ!!!」

「…………………はぁ!?!?」

い、今なんて言ったこの人!?俺とバンド!?なんで俺と!?!?

「いや普通に嫌なんですけど…?」

「そうかそうか喜んで引き受けて……ってえ!?な、なんでっ!?自分で言うのもアレだけど俺結構な美人だよ!?こんな美人とバンド組めるんだよっ!?普通なら死ぬほど喜んで、「僕なんかが八雲さんとバンド組んでもいいんですか…!!」って泣いて喜ぶところでしょっ!?」

なるほどなんでこいつがクラスで孤立してるかわかった気がするわ。

「いやべつにうれしくもねぇけど…」

「なんでよぉぉぉ!!!お願いだよぉぉ!!俺とバンド組んでくれよぉぉぉぉ!!!」

「ちょっ、おい!泣きながら足にしがみついてくるな!ちょっ!やめっ…!!おいっ!」

「バンド組んでくれよぉぉぉぉぉ!!!!」

「くっ、こ、こいつ力強すぎだろっ…!!離れろっ…!!!」

「組んでくれるまで離さねぇからなぁ!!」

こ、こいつ正気か!?ど、どうすれば…!!!

「わ、わかった!!じゃ、じゃあ一週間!一週間時間をくれ!一週間後またここで入るかどうか決めるから一週間考えさしてくれ!」

「……………ほんとに?逃げたりしない?」

「に、逃げねぇよ??」

お、おいそんな疑わしげなジト目で俺を見るんじゃない!に、逃げたりなんか……し、しねぇよ?

「………ふぅ…わかった。一週間考えてみてくれ。ちなみに答えはYES以外受け入れないからよろしくっ!」

選択肢ねぇじゃねぇか!!

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