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未界 -魔法発見編- 前編  作者: 懿夢
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未界 過去編

 西暦三百年、まだ魔物や神が存在しなかった時代。とある一人の男によって、世界の常識を覆すという大発見をする。

 その男の名前は、ツァラー。齢二十八歳の異世界人で、異世界の知識を使って化学研究科首長、実質社長的な地位にいる。

 

 研究室にてツァラーは一人考えていた。それは魔法の有無に関してだ。

 この世界に来て10数年、ツァラーは誰一人として魔法を使ったところを見たことはなかった。それにこの世界では、魔物は見かけないが、聖なる存在のドラゴンや、精霊、天使といった存在は確認されている。そうしたことから考えみるに魔法はまだ誰も見つけていないだけで存在するとツァラーは信じていた。

 ツァラーは異世界に転移してから、魔法を見つけることに精を出していた。


 ツァラーは閃いた。

 ツァラーは早速行動に移る。白衣から外出用の服へと着替えて外に出た。

 今から向かう先は、お祈りをする場所。色々試したツァラーだが、結局のところ魔法が存在するか、考えあぐねていた。当然だ。見ていないものを存在すると、確定できるはずがないのだから。ならばいっそのこと詳しそうな人に聞けばいい、とツァラーは思った。わからなければ聞けばいい。初歩的なことに思い至った。

 当然普通の精霊には話は通じない。精霊と話ができる特殊な人間(しゅぞく)もいるようだが、ツァラーはそんな芸当はできない。ツァラーの目的は精霊樹にいると噂の聖霊王だ。噂というが、実際に存在する。聖霊王とは話が通じ、よく人間の悩み事を聞き、解決策を教えてくれる存在なのだ。

 聖霊王に話を聞くために、ひたすら精霊樹へと向かって歩きいて、三時間でようやく精霊樹を囲う森へとたどり着いた。

 森から見てもわかる一際大きな木が、周辺の森の木々と比べ物にならないほどの神々しさを放っている。その木、精霊樹が目標地点だ!あとはひたすら精霊樹へと向かって歩くだけである。

 森へと入り獣道を通る。生い茂る草久をかき分けようやく辿り着いた。

 目の前には神々しいまで白光する精霊樹が見える。

 精霊樹の周辺には、精霊が数えきれないほど蛍のように光を放って飛んでいる。

 その光景を見ていると、突然声をかけられた。

「珍しいな。この時期に人間が来るとは、何ようかね?」

 声をかけてきたのは、上半身裸の筋骨隆々の大きな体躯で、下半身は白い布で覆われている美青年であった。その存在感からこの方が聖霊王に違いないと、ツァラーは思った。

 一応間違えては失礼なので、聞いてみた。

「こんにちは。あなたは聖霊王様ですか?」

 直球で質問をするツァラーに対して、その男は普通に返答する。

「聖霊王。ふむ、人間が付けた呼称だな。…そうだとも!お前ら人間で言うなら聖霊王だ。正しく訂正するならば、この精霊樹の守り手。『ラグエル』だ。」

 やはり間違ってはないようだ。

「やはりそうでしたか!ラグエル様、この度はお聞きしたいことがあり、やって参りました。」

「聞きたいこと?それはどのようなことだ?」

「はい!魔法が存在するのか教えていただけませんか?」

 またもや直球に質問するツァラーに対して、ラグエルは一瞬怪訝な表情を見せてから答える。

「魔法か…その存在を知ってると言うことは…いや、違うな。この気配はお主、この世界の人間ではないな?」

 ツァラーの体を隅々まで観察するラグエル。それに対して驚いた表情で答えるツァラー。

「ッ!?…はい、仰る通り私はこの世界では生まれてはいません。その言動から察するに、魔法は存在するのですね!」

「うむ。そうだ!我らが扱う術は、聖霊魔法と言う。聖霊を用いてできる術である。魔法とは、人間が持つ魔力を用いて発動できる。」

「やはりあるのですね!それではどうやって発動できるか教えていただけませんか?」

「ああ、いいとも。魔法とは想像の具現化である。頭の中で想像すれば発動できるだろう。」

「そ、そんな簡単に!?」

「言うは易し、だ。実際は簡単ではない。()()にとっては難しいだろう。何せ、発動させるための過程を掴めなきゃ簡単には発動できないだろう。だが、お主ならできると思うぞ?」

「そうですか、ありがとうございます。だけど、いいんですか?今まで知らなかったのに、教えてしまっては今までの常識が覆りますよ?」

「頃合いと思ってな。そろそろ()()も必要だしな。」

「センテイ、ですか?」

「 なに、わしの独り言だ。用が済んだのならもう立ち去れ。」

 ラグエルは興味を無くしたのか、そう言い樹のうしろへと消えていった。

「はい!ありがとうございます!!」

 話は聞けたので素直に森を出て、自宅へと向かう。

 

 ラグエルは思う。

(あの者…我々と同じ気配!?上に立つのに相応しい)

 ラグエルは、あの者こそ時代を背負うのに相応しい、我らの神になるであろう、と。


 

今晩にちは!懿夢〈イム〉と申します。

あなたの貴重な暇な時間を頂戴したことに感謝感激です。

-魔法発見編 後編-は2023/08/24か2023/08/25に投稿する“予定”です。


こういった投稿は初めてなので、お手柔らかにお願いします!

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