狙撃手アンノーン
立ち並ぶビルの屋上に一人佇む人物がいた
その者は、黒いローブに身を包み顔には目の位置だけくり抜かれた真っ白な仮面を付けていた。足元には巨大な狙撃手が設置されていた
プルルルルルルル
その人の携帯が鳴る
その人は携帯を手に取り電話に出る
((やぁ、アンノーン。今日の調子はどうかな?君のパートナーのレインだよ。))
電話の相手は女性でレインと名乗った。アンノーンと呼ばれているのは今まさに、電話に出ているローブに身を包んだ人物だ
アンノーンはその問い掛けに、携帯を軽くコンッと叩くだけで声は出さなかった
((調子は良いみたいだね。この後、約30分後にターゲットは現れる。まぁ何時もみたいにやってくれ。))
アンノーンは再び、携帯をコンッと叩く
((仕事前に言うのも何だがお疲れ様。君の最後の仕事だだからね。君と共に仕事が出来て良かったよ。))
コンッと携帯を叩く
((まだターゲットが来るまで時間があるから少し喋ろうか。
君に初めて会った時のことを今でも鮮明に覚えているよ。その時もローブに仮面で喋らない。その上、性別、年齢、名前不明...まぁ未だに君の事は、狙撃の腕がすごい以外は何も分からなかったよ。))
アンノーンは静かに聞いていた
((まぁ、何も分からないから私がアンノーンってコードネームを付けたんだけどね!それにしても、色々合ったね〜
ある時は、イカれた大統領の暗殺...またある時は、敵国のスパイ15人の暗殺...そんな仕事をした君には今日の仕事は退屈なんじゃないのかい?コソ泥一人を狙撃するなんて...))
アンノーンは携帯を二回叩く
((そうかい?君が良いなら良いのだけど...それにしたって君からのあのメールには驚いたよ。狙撃のポイントを変えたい、までは分かるよ?でもまさか今、君がいるビルから狙撃するなんてね。普通なら却下していたけど最後の仕事だし、何より君の腕を良く知っているから許可を出したんだよ。
最後の仕事で伝説を残すといいよ。
さて、そろそろ時間だね。君と仕事が出来て良かったよ。
この仕事を終えて君が、どう生きるのかは君次第だよ。それと仕事のターゲットが君にならない事を祈るよ。
お疲れ様でした。))
アンノーンは携帯を叩くのでは無く
「あぁ、今までありがとう。お疲れ様。」
そう呟いた
((アハハ...そっかー君は男だったんだね!優しい声をしているね。最後に君の名前が知りたいな?))
「..........俺はアンノーンだ。」
((そっか!ではアンノーン、最後の仕事頑張ってね!))
「あぁ」
そしてアンノーンは電話を切り、狙撃銃を持ち構える
スコープを覗き息を大きく吸い止めてそして...
ズガァァーン
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電話を終えて手元の契約書を眺める女性がいた
「全く...君は今まで私が見てきた殺し屋の中で飛び抜けてたよ。」
契約書にはアンノーンが交わした契約が書かれていた
アンノーン個人の詮索はしない、仕事の内容は殺し以外はやらない等様々書かれていた
そこには、アンノーンが仕事を辞める時の条件も書かれていた
千人殺したら仕事を辞める
そう書かれていた
「ほんとに君は凄いよ。僅か5年で999人。そして今日で千人。その上、伝説を作って辞めようなんてね。」
レインは携帯を開きアンノーンからのメールを眺める
狙撃ポイントをハズナビルに変更する
と、書かれていた
「ハズナビルからの狙撃...最後の最後まで楽しませてるれるね!伝説を作っておいでアンノーン!前人未到の距離5kmの狙撃を!」
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仕事を終えたアンノーンは狙撃銃の入った大きな鞄を持ち山の中を歩く
小さな小屋がありそこにアンノーンは入っていった
アンノーンは鞄を下ろしローブを椅子にかけ、仮面を外し机の上に置いた
そこにはまだ、20代前半位の青年の顔があった
青年は椅子に座り天を仰ぐ
「間に合ったな。無事に終わった。後は時が来るのを待つだけだな。」
そう呟きアンノーンはそのまま時が来るのを待っていた
そして
「おまたせしました。」
アンノーンの後ろに女性が現れアンノーンに声を掛け手を伸ばす
「あぁ、あんたと俺の契約だからな。さて、第2の人生と行きますか。」
アンノーンは女性の手を取ると、足元には不思議な陣が浮かび上がりアンノーン達を包む
「では、行きましょうか。私が創った世界へ。」
そう、女性が言うとアンノーンと女性の身体が光そして...消えた
出来次第の投稿に成りますので不定期です