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白髪鬼は龍に憧れて  作者: 愛のスコール
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第1話 白髪鬼シュテン

初めての投稿になります!拙い文章ですが、今後もよろしくお願いします。

 鬼族の父、人族の母。

 鬼と人の混血としてこの世に生まれ落ちた。


 それから20数年が経ち、父親譲りの威圧感のある鋭い眼光と恵まれた体格に、母親譲りの真っ白い髪色が特徴的な青年へと成長を遂げる。


 そんな彼は、龍に魅入られ、強さを追い求めていた。


 これは白髪の鬼人――シュテンが、龍を討つまでの物語。




 リザードマンの森と呼ばれる森林地帯の奥深く、そこに普段いるはずのない魔物がいた。


「ねぇテン兄、あれってやっぱり……」


 そう言いながら不安気な顔を浮かべこちらをみつめてくる、まだあどけなさの残る鬼族の少女――スズカを安心させるように、俺はその背中をポンと軽く叩いてやると、笑顔を見せた。


「兄貴に任せておけ、なんてったって俺は龍にだって勝つ予定の男だからな!」


「また言ってるし……どっからくるのさその自信は。たしかにテン兄は鬼族の中でも腕っぷしが強いほうだけどさぁ」


 呆れたような顔をするスズカ。


「シュテン、夢を語ってる場合じゃないよ?とにかく一刻も早く長に知らせないと。――サイクロプスなんて、この目で実際に見たのは生まれて初めてだよ」


 端正な顔立ちをした、清潔感のある鬼族の青年――シオンは驚きを隠せない様子だ。


 ここ数年、俺達は3人組で狩りを続けてきたが、大型の魔物と出くわすことなどなく、痕跡を発見したこともない。そして勿論仲間たちも、この巨大な一つ目の怪物が森の中にいたことを知らないだろう。


「まー図鑑通りならアイツは上位の魔物なんだろ?野放しにしてる間に人里のほうに被害でもでたら――あぁ?」


 シュテンが異変に気付く。サイクロプスの視線の先でなにかが倒れており、さらに目を凝らすとそれがおそらく人であることがわかった。

 突如、サイクロプスが唸り声をあげ突進していく。目は血走り涎を辺りに撒き散らしており、その倒れた人間に向かって引き寄せられていくかのようだ。


 ――瞬間


 俺は大地を蹴り、飛んだ。


 サイクロプスとの距離を詰める。幸いサイクロプスにはスピードがなく、数十メートルはあったであろう距離が一瞬で埋まった。そのままサイクロプスと倒れている人間の間に挟まるように着地する。


 人間の方にチラリと目をやると、見るからにボロボロで息も絶え絶え、意識はかろうじてあるようだがあまり長くは持たないだろう。


「丁度いいな。お前、俺の修行に付き合ってくれよ」


 俺はサイクロプスの方を向き、ニカッと笑いながらそう語りかけた。


 そうして息を吸い込み目を閉じると、身体から溢れ出さんばかりの【闘気(とうき)】を右腕と下半身に集中させ、衝撃に備える。


 突然現れた邪魔者へ、サイクロプスは持ち前の岩石のような大腕を振り上げ押し潰そうとする。

 体格差でいうならば、身長も体重もシュテンの10倍はあろうかというサイクロプスの渾身の一撃が眼前に迫る。


 俺はゆっくりと目を開ける。


 身体の芯が冷めていく反面、右腕が異常に熱くなり、うっすらと赤い蒸気を放っている。

 ドクンドクンと脈打ち、まるで心臓がそこにあるかのよう感覚を抱く。


 人族・獣族・鬼族・魔族・天使族・龍族。これら六つの種族の中でも一際高い魔力と闘気を纏った、この世界においていわば最上位の種族であるとされているのが龍族だ。その鱗はあらゆる攻撃を通さず、生半可な攻撃ではかすり傷一つつけることもできないという。

 だが、鬼族の伝承によれば強靭な龍の肉体に傷を付けることができる方法は確かに存在する。

 それこそが先人たちが編み出し、練り上げてきた、龍を穿つための力。


 鬼族に伝わる秘伝の技を繰り出す。


「――龍穿(りゅうせん)


 俺はいつか、龍を負かせてみせる。


自分が楽しい、面白いと思えるような物語を創っていきたいですね

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