プロローグ
その国は燃えていた。
人々は嘆き、悲しみに浸り、力のある冒険者は、国を守れなかった己の力のなさに絶望し、ただ、燃えゆくかつて栄えていた国が崩壊しているのを眺めていた。
「・・・・ここまでか。」
かろうじで、火の手が回っていない場所で、その国の王が決意する。
「この国は燃え崩れてしまったが、これを使えば、新しい国を作れるかもしれん。」
と、手の平サイズのガラスの水晶のような物を取り出しながら嘆く。
もう火の手がすぐそこまで迫っている中、王は、その水晶を振りながら、呪文を唱える。
「ああ、神よあなた様のお力を滅びゆく、この愛しき国を代償に、どうか、どうか、最後に私にお貸しください。」
そして、その問いかけに応えようとするかのように、その水晶に水色の光が集束してゆく、、
それを見て、王は最後の呪文を紡ぐ。
「力を欲し、平和を願う我らにどうか、他の世界の者の力をお恵みください」
異界来召人」
唱えたころ火の手によって王の近くに建っていた。建物が崩壊し、瓦礫が王を飲みこんだ。
消えゆく意識の中、王は、祈った。
(召喚されし強き者が、また世に平和をもたらさんことを・・・・・)
初めての執筆ですが、楽しんでいただけると幸いです。