書き出しの展開は悩む
愚痴まじりでごめんなさい。
今回は読み専の方向けです。
※ 2021/3/2 読み切りの2つめで書いたやつ……の変形。 の部分に、注意例を追加
21XX年。
自然・故意問わず、度重なる災害にみまわれた人類と文明は、滅びの道を歩まされた。
70億人等と声高に謳われていた宇宙船地球号のクルーの数は、そんなのは嘘だと笑い飛ばされるのが常識となるほどに、減少している。
どこの地域も荒野や砂やガレキの山ばかりになってしまい、食糧生産能力さえまともに維持できず、現存のクルーは6桁残っていればマシだと言われる程度になった。
更に、この環境に適応し変異した狂暴な肉食動物も現れ、人類の未来は絶望に満たされている。
これは特定の国や人種が引き起こした話ではなく、問題が差し迫っていると理解していながら、どこの誰もが動き出そうとしなかった罰だと、ある学者の記録にあった。
しかしそんな終わった惑星・地球の上でも、逞しく生きる者がいる。
今ジャンクで築かれた山へ登り、ゴミ漁りに励む少年。
この少年がゴミの山から、とある少女を見付ける所から物語は始まる。
ド ヤ ァ (о´∀`о)
疲れる(正確には途中で絶対に筆が折れる)から、こんな大長編チックな物語なぞ書かんよ?
この後も全然思い浮かばないし。
どうせ大抵は、その少女が文明再興の鍵となる重要なデータに関わる何か。
キーを持ってるか、少女本人がアンドロイドでアクセス端末機だったとか、少女の(電子?)脳に超大容量データチップが埋め込まれてるとか。
それを巡ってワチャワチャするのしか無いだろうし。
個人的には少女も良いけど、古代遺産系戦闘ロボもロマンがあってステキ。
ロボに乗ったら、生体認証がてら身体を改造されて、TSしたら闇が深そうで良いね。
TSする理由として、そのロボには女性パイロットしか乗れないとかで、パイロット不足の解決手段としてTS機能標準装備とかだったら面白そうだね。
それかそもそもとして、ガールミーツロボでも良いよね(荒い鼻息)
~~~~~~
おっと失礼。
書き出しを語る本文なので、少し気合いを入れてボーイミーツガールのベッタベタな書き出しを奮発しました。
ここからが主題となります。
まあ主題と言っても、ただ作者視点から個人的に思うことを徒然書いていくだけなんですけどね。
んで、なんで読者視点で書かないかってーとですね。
「書き出しは似たようなものしか無いからつまらん!」
これしか無いのですよ。
でもね。 書く側になってしまうと、そんな文句は鼻で笑って静かに首を横へ、何度も往復させるしか無いのです。
なぜかって?
ネタなんざ、とうに出尽くしてるんだよ!
昔っから工夫を重ねて重ねて、重ね倒されて来ました。
どうやれば読者の目を惹いて、読んでもらえるように書けるか。
永遠の研究課題ではあるが、同時に研究し尽くされて研究する余地がほとんど残されていない分野でもあります。
だから、
これ○○のパクりだーー。
△△で見たーー。
とか言うんじゃねぇ!
こっちだってウンウン唸りながら血反吐吐きつつ、どうすりゃ良いのか日々死んだ目で脳を酷使してんだよ!!(吐血)
ざ☆魂の雄叫び。
だってそうでしょ?
書き出しなんていくつかのパターンしか無い。
後はどれだけ細分化するかとか、惹き付ける描写とか。 そんな努力や工夫しか無い。
まずは自分がよく書いてる短編・読み切り系。
設定を書いて、こんな世界だよって分かってもらう書き方。
これが一番ベタ。 ベターでは無い。
読み切りとして作品中で分かってもらう範囲を出す。
冒頭のやつを流用するなら、
文明が崩壊した地球で、ゴミ漁りを少年がしている。
これを書き出しでは知ってもらえれば十分。
後は本文で少女(の眠っているポッド)を見付けて解放。 自宅で保護していたら、怪しい集団から攻撃されて、自宅のある村?町?から飛び出す。
「このまま一緒にどこかへ行こう」「はいっ!」で終わり。
こんな感じになるだろうけど、書き出しとしては普通過ぎて……安定感は抜群なのが特徴。
次に、作中で一番盛り上がる所を先に書いちゃうやつ。
結果を書いてから「どうしてこうなった」をするやつとか。
これの前に書いたのを使うなら、怪しい集団から攻撃された所から書く手法。
「なんだなんだ!? いきなりピンチだぞ!」なんて、見映えやインパクトのある部分から見せる書き出し。
これは格闘ゲームで言うところの、開幕ブッパとか言うのに近い……かも。
要は、大きな音をたてて注目させようとしている。 いきなりやられるから、ビックリしてつい見ちゃうんだよね。
これの弱点は、読者が置いてけぼりを食らう可能性。
勝手に盛り上がられて解説も無しじゃあ、何やってるのかどこに注目すりゃあ良いのか、誰がどんな奴かの事情なんかも分からない。
観客が「うおお~!」「いけー!」「そこだー!」なんて盛り上がる為の情報が無いから、いまいち応援に熱もこもらない。
すると「なにやってんだ、こいつら」とチベットスナギツネな顔をされる。
または「あ、そうっすね。 はははは……」なんて愛想笑いだけされて、離れてっちゃう。
だからそれを防ぐためにも、乱用とかはオススメしない。
読者側からの個人的な意見は、回想シーンをされている様で、3歩進んだと思ったのに4歩も5歩も下がられた感じがして不満ばかりな手法。
スピード感と言うか、テンポと言うか。 そんなのが悪く感じるんです。
残るは前置き無しで、いきなりスタートする書き出し。
これ、本気で難しい。 映像作品なら簡単なんですけどね。
ガレキの山が乱立する様子やボロボロの服等を一目見れば、荒廃した世界だと分かりますからね。
文章ばかりになる文芸では、地の文による解説が一番楽な書き方だけど。
でもそれを捨てて、会話や動き、背景描写だけで世界設定を語る姿勢。
あ、もちろん説明臭いセリフや地の文は、基本無しですよ?
それで書いていくには、とんでもない筆力が必要。 チョームズい。
そんな難易度なんで冒頭で書いたのを使えば、大抵は冒頭の少女を自宅で保護した時に、少女が知っていた頃とどう変わったか会話させるシーンを出す。
読者としても、そっちの方がありがたいのは内緒。
しかし、そう言った解説する会話無しに世界設定を読者へ伝えて、文章をグイグイ読ませる書き方は作者にとって一種のロマン。
恐らく自分は一生かかっても書けないだろう書き方。
次は連載編。
最初はもちろん、冒頭の。
壮大な世界だよ。 ポストアポカリプス世界だよ。 過酷な世界だから、スペクタクルな要素もありそうだよ。 超王道なボーイミーツガールだよ。
こんなのを説明する訳です。
連載して文字を沢山書くのだ。 土台がしっかりしていれば、読者として入り込み易い。
上手く書ければ「わー、これからどうなるんだろー(お目目キラキラ)」とさせられる。
…………長すぎてクドくなれば、目がキラキラせずに濁りますけどね。
次は、読み切りの2つめで書いたやつ……の変形。
なぜ変形させるのか?
盛り上がるシーンまでにどれ位かかる?
どれだけ焦らされる?
それ以前に、そのシーンより前の話のネタバレ状態になってしまって、ちょっと萎えるのよ。
具体的に言えば、だるまさんが転んだゲーム。 読者様が鬼役ね。
それでゲーム開始と同時に遠くへ猛ダッシュされて「だるまさんが転んだ」と唱えて振り返っても、ナメクジみたくノソノソされたら?
逆にゲーム開始と同時に近付いてきていて、最初に振り返ったら直ぐそばで、次に唱えて振り返ったらスタート地点(より後ろ)へ戻っていて。 そこからはナメクジみたく(以下略)
それで、ようやく10歩分進んだと思ったら、突然踊り出したり20歩位の斜め後方へ下がってナメクジしたり。
訳のわからない動きで、こっちなんて気がないような展開。
どうですか、こんなのヤでしょ?
もっと具体的に言えば。
書籍にして(たぶん)6巻とか10巻とか、下手すりゃ20巻か?
そんな先の話をプロローグで書いたって、そこへ何時たどり着くのよ?
作中も寄り道ばっかりで、プロローグ(ある意味目標地点)まであとどの位か、分からねーんだけど?(イライラ)
こんな感じ。
はい。 そんな理由で変形させねば、書き出しで使えませぬ。
どうやって変形させるか?
主人公に関係無いシーンとする。
冒頭のを使うなら、非戦闘員系人類が荒れた土地ばかりで、めっきり減った食糧を作れる土地で必死こいて作業中。
そこへヒャッハーな連中が急激。 慌てふためく非戦闘員達。 ヒャッハー連中にすっかり略奪されて、そのヒャッハー連中が幸せそう。
そこに狂暴な肉食動物達が襲いかかり、あわれヒャッハー連中は動物の胃袋へ。 そこからカメラが引いてって、ここは地球だよ~。
こんな流れで弱肉強食ぶりと地球の荒廃ぶりを見せつければ、どんな世界かは分かるってモンです。
世界設定としてはもうひとつ。
文明再興の鍵を探す組織があちこち動き回っていて、その組織が肉食動物と戦ったり、組織と日々ドンパチする別の集団と遭遇~なんてのでも良いね。
読み切りで挙げた3つ目は、連載版では使える?
有りか無しかで言えば有りだけど、1つ目との併用を薦めるかなぁ?
ゴミ山を漁って「これは良さそうだ」とか言って手に取った物から解説を織りまぜたり。
漁る様子を描写しながら、ゴミばかりとなった経緯をナレーションしたり。
短編なら全部読むのに連載作品より時間がかからないし、理解に必要な情報量の関係でも安心。
でも連載だと、追いかけるには文字数……情報量が障害に。
連載で上手に織りまぜすぎると、読み返した時にどこを読めば良いか分からなくて、迷子になっちゃう。
読んでいれば自然と世界観が分かるのは本当にグッド。
でも読者が設定を忘れてしまった時に逃げられやすい。
だってどこで書いたのか、探す手間が酷いんだもの。
と、こんな感じで大雑把な書き出しを思うまま書いてみた。
どう?
大きく分けるとあんまりパターンが無いでしょ?
他には……現代物なら説明不要で始められる程度か。
となると、細かく分ける流れになる訳だ。
ちょっとズラズラ書けるだけ書いてみよう。
簡単な世界設定書いて、ぬるぬる始まるやつ。
景色・光景を書きながらテレビやラジオなんかのニュースを流して、それが日常の世界だと認識させるやつ。
ならず者か主人公か。 その辺のがナニカから追われつつ、カーラジオ等でニュース流すやつ。
2つの集団が抗争していて、その騒動に乗じて主人公がコソコソとコソ泥、動きや独り言で主人公の性格・人格を見せてみたりするやつ。
主人公が仕事をこなす描写して、どの位の身体能力か~とか技術が有るか~とかを、キャラ含めて紹介するやつ。
主人公が賞金稼ぎとかの体を動かす仕事なら、強さ。
暴力と無縁な仕事なら、こんな人生がずっと続いて、そのまま死んでいくんだろうなぁ……なんてぼんやり考えさせる。
でもそこから運命の出会いをして、人生が劇的に変化してビックリするほどアドベンチャー! な人生へ劇的変化。
それを読者に感じさせる為の前置き。
親方! 空から女の子が!
主人公の住む集落がナニカから襲撃されて、なんとか撃退したものの負傷。 ついでに受けた呪いで、集落に住んでいられなくなって旅に出る流れ。
あの子を解き放て! あの子は人間だぞ!
主人公一家の、いつもの朝を演出して関係性とか示しつつ、始めるやつ。
ここからギャルゲー展開が基本だけど、家族物もよくある。
解説が終わったら宇宙戦艦での戦争が始まって、どっちが勝ったかで情勢を示すやつ。
アクションシーンとかの派手な動きを入れてから解説を始めるやつ。
19XX年。 世界は核の炎に包まれた。
現代の説明不要系。 前情報は要らないからね。
でもそこから、現代ファンタジーへ突っ走る為のフェイクも可能か。
現代でなくとも「昔々あるところに」でお馴染みの、昔話みたいな書き出しもあるか。
これを理解するなら前提知識が必要なのに、前提知識無しで子供に読み聞かせする不思議なブツ。
「そう言うものだから」と言う無言の圧力に「お、おう……」と負けてしまうのも、致し方なし。
いきなり事件発生のやつ。
ベタな現代刑事物御用達。
ファンタジー世界でも使えない訳じゃないけど。
話の核となる、とある出来事から描写するやつ。
大抵は主人公のトラウマか、作中の犯人が犯罪に走ろうと決意するきっかけ。
主人公の見付けた古いロボが、どれだけやばかったかを見せるパターンもある。
世の中に溢れ過ぎて、舞台の前提知識をわざわざ書かないで済ませてしまうやつ。
具体的には読み切りの「ここに婚約破棄を宣言する!」とかね。
断罪回避する悪役令嬢が主人公か、ヒロインちゃんが主人公か、王子かモブかメードか王か王妃か。 だれが主人公なのかは知らんけど。
あとはなろうでベタな、転生トラックにどう轢かれるか。
どう通り魔に刺されるか。
命を落とすか。
異世界へ誘われるか。
異世界転移か召喚か。
逆行転生するか。
ただの死に戻りか。
気が付いたら異世界か。
死んだ自覚があって、神だのなんだのの描写無しに異世界か。
没入型VR機器を入手するか。 どんなキャラメイクするか。
ざっくり思い付くまま挙げるだけで、これだけ出てくる。
でも「一杯あるじゃん!」とはならないんですよ。
なろうにだけでも、どれだけ作品が投稿されている?
今まで本として、どれだけ印刷・出版されてきた?
今までどれだけの、本屋に並ばない個人誌・同人誌が生まれていると思ってる?
文字の文明がある限り、文章は生まれる。
書き出しもその数だけ生まれる。
新しいパターンが生まれる確率はもう、本当に小さい。
だからね。
アレのパクりだ! コレの真似だ!
と批判するのはお止めください(涙)
丸パクりじゃない限り、必ず有名無名問わず、どこかのなにかの作品に似ます。
「ちょっとだけ変えてるからパクりじゃないよ!」とか言うやつは、ぶん殴っても構わないと思うけど。
でも【習作です】とか言う人に、パクりだ! とか言うのはやめてあげて下さい。
それで作者はオリジナリティを求めて、沢山工夫を重ねています。
それが誰かとそっくりになってしまって、指摘を受けて悲しくなるんですけど。
つまり、書き出しはどうやっても何かに似てしまうもの。
書き出しだけで無闇にパクり認定は正直やめてほしいのです。
あとは書き出しで惹き付ける文章を書けるか。
それで作者の腕を判断する方法もありますが、普通以上の評価なら見切りをつけないであげて下さい。
ただ書き出しが苦手って人かもしれませんし、読まないのはもったいない。
…………作者として、せっかくだから読んでほしいし(目逸らし)
そんな訳で、書き出しは悩む物。
読んでもらおうとして工夫で悩むし、だからと言って書き出しだけで完全燃焼したら、コトだし。
それで苦労して作品を書き上げても、書き出しで○○のパクりだ! なんてなれば目も当てられないし。
作者は頑張ってるの!
でも書き出しなんて今更完全オリジナルと呼べる書き方は、まず無いの!
なのにドコで見たとか、言われたくないの!
読者は気軽に言ってくれるけど、こんなの生身の人間に自力で空を飛んで見せろと言っている様なものなの!
余りにも似過ぎている物で無い限り、その辺を指摘しないと言う、手加減をお願いします!!
どうでしょうか?
作者は頑張ってる。
でも頑張るにも、限度がある。
それが読み専の方に、伝わりましたでしょうか?
え? 作者の内情を語る系作者は、2流・3流? いやそれ以下?
そんな評価はどーでもいい。
真剣にプロ作家になりたい方へ、その辺の口撃をしてほしくないだけなので。
単にキツい指摘をしないであげてって話じゃないですから。
習作は、腕を上げる王道。
なのにそれを無闇に踏みにじってほしくないんです。
この書き出しは○○を意識なさってますか?
△△を意識した習作でしょうか?
位にとどめて欲しいんです。
近い未来、あなたが好きになる作品を、書いてくれるようになるかも知れない作者です。
書き出しが下手とか、何かに似てる程度で筆を折らせないで下さい。 お願いします。