序、レイソナルシティから姉へ
拝啓、エミリア=ファーストン様
暑さが残る今日この頃、ご機嫌いかがでしょうか。そろそろ田畑の作物たちも収穫の時期を迎え、農業と村政と若者たちへの指導と、忙しい日々を過ごしているでしょうか。
あなたのかわいい妹は、色々と大変な思いはしていますが、深刻な怪我もなく元気に旅をしています。特に、実戦はいい経験になっています。
こちらは今、トレイトタウンを経由して、アルデルト王国の北端、レイソナルシティに滞在しています。
ハルベス村を出た後、村の森で迷っていた剣士のレオンという人を助けました。方向音痴で迷い込んだという彼を、トレイトタウンまで案内したのですが、成り行きで盗賊退治の依頼を引き受け、それはきっちり片付けたのですが、今はその盗賊のアジトに捕まってた女の子が抱えている問題を解決するため、その剣士の彼と一緒にその子に同行しています。
一から十までここに書くと、少々ややこしくなりそうなので詳細は省きますが、レイソナルシティには、魔王伝説の調べ物のために滞在しています。村で食べたことがない、おいしいものがたくさんで、毎日食事だけは飽きません。
村を出た後は、大体そんなことがありました。
以上、定期報告です。
ミネ=ファーストンより





