た、たゆったゆん
お店出れませんでした☆
しょうがないね、キャラが勝手に動くんだもの☆
あ、後書きの方にアンケートとしてTwitterのリンクありますのでよろしければ投票してくださるとありがたいです。
「なぁ、どうだ。一つお手合わせ願いたい」
「だーかーら!やめんかというのに……!!」
狸の獣人に羽交い締めで抑えられながらも、淡々と抑揚の無い声でぐいぐいと俺の方へ近寄ってくる猿の獣人。
薄ら赤い顔と法衣から覗かせるその両手はつるりとしており、わきわきと俺をロックオン。
一方、狸の獣人はその猿の獣人をもふもふとした毛が生えた両腕で抑えつけながら首をぐりゃんぐりゃんと振りながら耐えては苦しく吠えていた。
もう一人?それなら──
「ところでお主、なんぞ知ってる匂いがするな。嗅がせてくれんかの。ふんふん」
「やめてくれません?あの、やめてくれません?」
ふんふんと俺の近くで匂いを嗅ぐ狐の獣人に、大事なことだと判断したので拒否を二回言う。
許可をとるどころか、既に嗅いでるとは如何なものか。
少し高めで可愛いような妖艶な声でふんふんと嗅ぎながら近付くなり、その胸元に実った果実がゆーらりこより、狐のマズル部分に生えたお髭がぴっこんぴっこん。
と、とりあえず顔を背けて両手で壁を作りながらじりじりと離れる事にしよう。
「お前も此奴を止めい!!」
狸の獣人が犬歯をむきぃと出しながらその男性にしては高めの声で狐の獣人へと促すが当の本人は俺から漂うであろうその嗅いだことのある匂いに集中していた。
「まてまて、この匂いは確か狂狼の──」
「ダメか、どうだ、一つぶん殴り合いを──」
「ぬがががー!!おーまーえーらー!!」
踏ん張り堪える狸の獣人だが、抑えられている方の力が強いらしい。
じりじりと近寄ってくる猿の獣人とふんすふんすと近寄ってくる狐の獣人。
ふと気付けばもうすぐ壁。
白檀のような落ち着く良い香りが漂うほどに近づかれ、このままではなんやかんやと大変な事になりそうだと思ったその時、一つの声が俺の方へと飛び込んできた。
「なー!あんたウチのパーティーに入って──おっ?」
その男の声に俺を含む四人の視線が獣人達の後ろにいる男へと向けられる。
広げた右手を高く上に挙げながら、ゼーベックと呼ばれていた赤髪の男がその様子にあっけらかんとした表情を浮かべた。
これはナイスタイミング。
やれやれ、ようやく一息つけそうだ。
「……おーけい。とりあえず落ち着いてくれ。順番にいこう」
…
「では改めて。拙僧はソウコ。このばかもん共とパーティーを組んでおる。連れが粗相をしてもうしわけなかった。この女狐がトウカ、このばか猿がシュエンじゃ」
「よろしくのー」
「うぬ」
「うぬ、じゃないわいばかもん」
「むぐっ」
ふかふかの頬をぽりぽりと掻きながら、狸の獣人ことソウコは簡単に仲間の二人を説明した。
もふもふとした、白色の美しい体毛が生えた右手をふりふりとするトウカに対し、腕組みをして小さく頷いたシュエンはソウコに軽く小突かれる。
なるほど、この真っ白な毛並みをした妖艶でスタイルの良い狐の獣人がトウカさんと。
随分と立派なものをお持ちで。あ、盾もったおっさんが揺れをガン見してる。
で、こっちの戦闘狂くさい首元が白くて脚が赤い体毛で覆われた猿の獣人がシュエンさん。
腕も脚もそんなに太くないけどすげぇムキムキだ。
そんで二人を取りまとめるのがこのつぶらな瞳で愛嬌のある顔をしながらもしっかりとしてる狸の獣人がソウコさん……
殴られてもそんなに痛くなさそうなもふもふのおててを少し触ってみたいと思います。思いましたとも。
三人とも服装はお坊さんのような法衣に一本足の下駄を着ているけどおんなじ修行仲間でもあるんかな?
「どうも、俺はカナタです。カウンターで餌付けされながらもふられてる毛玉がシラタマで、あっちで女子に愛でられてる男の子がルギくん。で、あんたが…ゼーベックさんだっけ?」
確かその筈……シラタマはとりあえずおやつ抜きだな。俺の助けに来なかった罰だ。
ルギくんは許す。能力で助けて貰ったからな。
「おう、そうだ。すまんな、オレのせいで迷惑かけちまって……」
「んあー、いい、いい。反省はしてんだろ?ならもう別にいいよ。軽傷だし他に怪我人は居ないんだから」
後頭部をかりかりと申し訳そうに掻くゼーベックに軽く手を左右に振って答える。
どたまの痛みはもう引いてるしかまへんよ。
ぶっちゃけ目ん玉に直撃した食べ物のお汁の方が痛かったわ。
「ほんで何ようで?タイミング的には助かったけども……」
「ああ、ウチ等のパーティーが此処に来た理由は情報集めともう一つ……仲間集めをしててな」
ほう、仲間集めとな。
そう言えば店員の猫の女性にそんな事言ってたような。
「ほんとは女性が良かったってのはあるが……まぁ一番の目的は優勝だしな。カナタさん、アンタの実力を見込んでお願いしたい。ウチのパーティーに入ってくれないか?」
「なんですと?」
まさかのヘッドハンティングですか。
優勝目的ねぇ……俺争い事そんな好きじゃないんだよなぁ……
「もちろん大会の間だけで構わない。ウチ等のパーティーには肉体系の能力者が居なくて決定打不足なんだ。大会の参加人数は四名まで、どうか入ってくれないか?」
「待て待て、待ってくれ。俺はまだ能力の詳細も知らないんだ。この国来たのはその為でもあるからそう簡単にはいかないよ。自分の能力の確認もしたいしさ」
ぐいぐい来るゼーベックを落ち着かせるようにまたもや両手で壁を作って抑える。
そう、この国に来た理由の一つでもあるのが能力の確認。
バルちゃんのおかげで調べてくれる場所は分かったけどやはり改めて実際に確認もしたい。
いざ使えないなんて話しにならないからな。
「なんじゃお主等も大会に出るのか?拙僧達も出るから大会ではかち合うかものう」
「出るのか?出るよな?よし、ぶん殴りあおう」
「もう一人、ここにはおらんが妾達も大会に出場するぞ。今回の大会の優勝報酬はとびきり豪華じゃからのー」
ソウコさんに続いてふんすと両手の胸の前で握り締めるシュエンさんの目がギラギラと光り、ほくほくの笑顔で両腕を組む法衣から少しはみ出すトウカさんのたわわなお胸がたゆんたゆん。
おい、おっさん連中鼻の下伸びてんぞ。肴に酒を飲むなよおい。
というか乳揺れをガン見する枠にドワーフのおっさんも増えてるし。
「優勝報酬とな」
「そうだ。武術の国〝ガンゼルド〟に習った異種族混合武術大会『アーツカッチア』!!今年の優勝報酬はあの英雄の修行を受けられる事!そして今を生きる僅かな古代人にして、魔武器職人ビットが作り上げた超レアな武器の贈呈だ!!」
おっさん連中はほっとくとして、俺の言葉に答えるようにゼーベックが高らかに大会の説明を唄い挙げ、溢れ出した闘志を抑えるかのようにその右拳を握り締めた。
ほほう、大会の名前は『アーツカッチア』と言うのか。
英雄の修行に魔武器ねぇ……魔武器は少し興味があるなぁ……
ん?『古代人』って確か……
──凄いもんですねこの通信具。魔力で起動、終了ですか──
──うむ、そうだ。この通信具は【ベッセル】という物でな。なんでも古代人が残した技術らしい──
思い出すは牙狼族の村でアルと連絡を取った際に交わしたヴァサーゴさんとの会話。
そう言えばヴァサーゴさんは古代人に会ってたんだったな、もしかしてその人が作った魔武器なのか?
ゼーベックは『今を生きる僅かな古代人』と言っていた。
もしかすると……もしかしてしまうのかも知れない。
「どうだ!興味は湧いてこないか!?」
腕をガバりと広げ、ゼーベックがもう一度尋ねる。
頭の中では無く、自分の……本能のままに俺は口を開いた。
さて、ここでアンケートです。
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