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ヘタレの努力家  作者: りばーしゃ
2つの【出会い】
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かつての『争い』

実家に一度墓参りしに帰りますが小説はいつも通りコツコツ書き進めてくよ!


そのかわりいつも通りのページ数だけど勘弁してね!


ぬおおお!!

『ああ、すまない。ちなみにその後の事は考えてあるのかい?』




「…とりあえずは王都に行ってみたいと思う。色々と知れそうだしな」




 面白い事もあるかもしれんし。


 あ、あと美味い飯…何をそんなと思うんじゃない、食は楽しみの一つであろう馬鹿者。




『ああ、それが良いと思う。王都なら君の能力も詳しく知れる筈だ。私はその【専門】ではないからね』




「あれで専門じゃなかったのかよ」




 改めてとんでもねぇなと思う。


【専門】はどこまで詳しく調べられるのだろうか。


 あたし少し怖いでござる。




「ついでにお前も観てもらうかシラタマよ」




「にゅ?…にゅふー…」




 目を八の字にしてぽやーんと答える。


 ダメだ、とろけてやがる。食い過ぎたんだ。


 このふわもち生物め。触り心地がいいから許してやろう。




『シラタマもお疲れのようだし今日の所は休むといい。ヴァサーゴ、彼等をよろしく頼むよ』




「ええ、引き受けました。それではまた」




『ああ、それじゃ』




 その言葉と共に、ふっ──とオーロラが霧散する。


 回っていた丸枠もゆっくりと止まり、宝珠の光も朧げになりながら消えていった。




「凄いもんですねこの通信具。魔力で起動、終了ですか」




「うむ、そうだ。この通信具は【ベッセル】という物でな。なんでも古代人が残した技術らしい」




 ほう、古代人。これまた気になる言葉が出てきたな。




「これはアル先生に(こしら)えてもらった簡易型で二つしか通信が出来ないがもっと良い物なら色んな機能が付加されているらしい。小型の物もある」




 はぁー、これで簡易型ねぇ。つくづく何でもやれんなぁ……




「その古代人って今も生きてるんですか?」




「ああ。今も生きてるよ。古代人と言ってもなんら変わらない。君と同じ人種だ。能力うんぬんは桁違いに凄いがね」




 今も生きてるのか。これは興味深い。


 ヴァサーゴさんは会ったことのある口ぶりだったけどどうなのだろうか。




「古代人とは面識が?」




「ああ、一度ね。どれ、こんな所で話すのもなんだ。茶でも飲見ながら話そうか」








 案内されたのは見事な茶室だった。


 達筆過ぎて読めない掛け軸や生き生きとした盆栽。


 そして香るのは馴染みのある畳の匂い……


 まて、ここはほんとに異世界なん?




 す──と目の前に漆塗りされた茶受け皿にほこほこと茶が入った白磁(はくじ)の湯のみと菓子が置かれた。




「さぁ、二人共飲みなさい。火傷に気をつけてな」




「頂きます」




「ふにゅにゅにゅ」




 (かぐわ)しい茶の匂いと菓子の匂いに釣られて起きたシラタマは器用に手のようなもので湯のみを持ちながらほこーっと茶を飲んでいる。


 目を八の字にしながら静かに飲む様子はとても癒される。もっとやれ。


 どれ俺も一口……ぬ、この味わいは玉露。芳醇な香りと僅かながら感じられる甘みとスッキリとした苦味、非常に美味である。


 まぁ、俺はソムリエでもないので賛美されるような表現方法や味の違いなぞ詳しくないし、良し悪しなど分からぬがこのお茶は美味い。


 飲食物なぞその人による『美味い』か『不味い』かどちらかなのだから正直に『いきたい』ものよな。




「お味は大丈夫かね?師程上手くはないが口に合えば幸いだと」




「いえ、美味しいですよ。師と言う事はこの茶室やヴァサーゴさんの服もその影響で?」




「いかにも。いやぁ最初は色々と戸惑ったが私の性に合ってたようでな。今ではこの姿でないと落ち着かんのだよ」




 はっはっはっ、と笑い飛ばすヴァサーゴさんは少し照れ臭いのか顔が赤くなっていた。


 なるほど、そう言う事か。




「古代人とお知り合いになったのも師のおかげですか」




「うむ。いやぁ、師の周りは凄まじい人達ばかりだったよ。私も英雄ウルヴァインに憧れて様々な事をやっていたが……うむ、世界は改めて広いと思ったよ」




 しみじみとしながらヴァサーゴさんがお茶を飲みながら一息入れる。


 なるほど、化け物と。いや失敬か。




「英雄…ですか」




「うむ。かつて起きた三回の聖戦…いや、『二回』か。三回目は未遂に終わっていたな」




「『未遂』ですか?」




「いや、気にする事はない。もう『終わった』事だ」




 なんか含みのある言い方だな…聖戦ねぇ…やっぱり争いはあるのねぇ…




「まぁ、聖戦は英雄達によって治められた。それからだよ。種族関係なく手を取り合う事になったのは」




 一度の聖戦ではまだいがみ合いや差別などが激しかったのだろうか。


 その未遂に終わった聖戦で漸く手を取り合えたんだな。


 俺たちの世界もそうだ。


 その状況になって初めて気付ける愚かな生き物。


 ならないと分からない、あたかも自分は関係無いと言わんばかりに遠ざける。




 俺は関係無いから関わるな、と。




 そのくせ被害にあった者にも自分は関係無いからと言わんばかりにその原因をあげる。


 そっちにも原因があったんだろ、と。


 馬鹿馬鹿しいのも程がある。


 関係の無い第三者がいきなり何を言っている。


 今すぐそのケツ穴のような汚ねぇ口を閉じてどっかへ消えろと思う。




「大丈夫かね?カナタ殿。硬い顔になっているぞ」




「ああ、すみません。少し思うことがあって」




 ああ、いけないいけない。


 相変わらず争い事の話しになるとつい考え込んでしまうな。




 …全く、嫌になる。




カナタ


「ふう…シラタマやふわもちさせろ。あー癒される」




シラタマ


「ずすずっ…ふにゅー…」




ヴァサーゴ


「ふむ…」

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