6話 殺すか殺されるか
「何チーム消えたんだろ?」
「さあな、始まればわかるだろう」
開始の合図が出される。
「じゃあ転送するよー!」
心の準備が整わない、なぜなら開始前にあんな事があったからみんな心配してるのだ。
すると地面に魔法陣が出てきた。
「なにこれ、ゆあたん! なんか気持ち悪いね」
「そうだね」
「マアル他のチームの魔法陣に入ってこいよ」
「あそうだなザキも一緒に」
「お前らアホか? 大人しくしてろ」
すごい光が視界に見えた、その瞬間転送されて、待機場所についた。
「そろそろだな、マップは?」
モニターに指を当てながら花岡が見ているとマップのところがハテナになっている。
「甘城、真彩みろ、マップがハテナだって今まででこんなことあったか?」
私たちはじっくり考えていると二人が恨んだような目を花岡に向けている。
「なあ翔太、お前ってやつは」
「ほんとだよな! マアル」
「はいはい」
よくよく考えても今までプレイした中でマップは決められてないことはなかった。
「いやないかな? ね、真彩」
「確かにないね、あの時だってマップ名は発表されてたしね」
すると別のモニターが出てきた、運営だ。
「転送完了だよー! みんな疑問に思ってるよね? マップがハテナだってこと? そのことは心配しなくてもいいよ、君たちがよく知っている場所だからさ」
それだけいいモニターが消えた。
「よく知ってる場所か」
再びモニターが出てきた。
「あ! 言い忘れてたけど死ぬと復活は不可だよ! まあわかってると思うけどね! では大会を開始するねー」
待機場所にあるモニターがカウントダウンが始まる。
〈五、四、三〉
「とりあえずみんなはぐれないように動くぞ」
仕切る役は花岡、それに不満があるのか二人が面白くなさそうに返事する。
「あいあい」
「了解」
「わかったのだ!」
「わかった!」
カウントダウンが進む。
〈二、一〉
みんなの掛け声でスタートする。
「じゃあいくぞおお」
「ぉおお!」
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あたりが光包まれ目を開けると見たことがある光景があった。
「ここって?」
考えていると真彩が飛びついてきた。
「ゆあたんが住んでるところじゃない?」
私たちがついたのは私の家だった。
ゲームとはいえ現実味がありすぎる。
興奮気味にザキが周りを見渡す。
「え! ここってゆあたんの家なの?」
「ザキ興奮してるぞ」
「お前だって!」
二人の話を無視し花岡がとあることに気づいた。
「甘城、真彩少し変だと思わないか?」
そう言われて私たちは周りを見たしおかしなことに気づいた。
「......あれ? 私がいない」
「ほんとだ! なんで?」
一度考える仕草をしたがすぐに考察を述べた。
「おそらくだが、ここはゲームの世界ではない、現実だ」
今遊んでいるのはゲームではなくリアルで殺し合いの大会に参加しているということになる。
「えっとそれって、もしかしてキルされると」
リアルで殺しあうことになるとキルされると本当に死んでしまう可能性があるということだ。
「そう甘城が思ってる通りだ」
私は体の震えが止まらなかった、ゲームで人が死ぬなんてあってはならない。
「いやだよ! 私に限らずこの中の誰かが死ぬなんて!」
ずっと考え込んでいた真彩が震えた声で話し出した。
「それよりも私たちは人を殺さないと生き残れないってことだよね?」
冷静に答える。
「ああ、殺すのを躊躇すれば逆に殺されることになる」
さっきまで揉めていた二人も話に入ってきた。
「ということは殺される前に殺せばいいんだな、簡単なことだ」
そう簡単なことなんだ、だけどその簡単なことができるわけがない。
「人を殺すということは罪を犯すってことだよ? ザキには人を殺す勇気がある?」
沈黙が続いた、するとどこから声が聞こえた。
「手榴弾ないか?」
「俺はあそこの部屋を探すお前は上を頼んだ」
「じゃあ私は周りを警戒しとくね」
真彩が喋ろうとしたが咄嗟に花岡が口を押さえた。
「んんん」
「敵だ」
私は震えが止まらない、人を殺す殺される立場に置かれるなんて嫌だ。
ドンドン階段を上がる音が聞こえる。
「近い」
花岡が耳を澄まし音を聞くするとドアノブをつかむ音が聞こえた。
〈かちゃ〉