4話 関係
締め切り時間十分前になった。
「もう少しだね」
真彩がそういうと携帯を手にしメールを確認する。
「参加チームどれくらいだろうな?」
「ザキがいれば優勝間違い無いな」
ザキに視線が集まる、必死に否定する。
「俺は強くねえよ! あてにしないでくれ!」
すると凄い音が鳴り響いた。
〈ぴこんぴこんぴこんぴこん〉
一斉に音が鳴り響きとてもうるさい。
「うるさ!」
「参加者全員にメールが届いたのね」
そのメールを確認する。
〈ご参加ありかとうございます。このメールは参加者全員に送られています。
参加人数三十五万人 チーム数七万超
となっています。 大会ルールは一つだけ、そのマップには銃はないです〉
(銃がなかったらどうするれば?)
そう思っているとマアルが少し不気味そうに笑う。
「なるほどな、殴殺か!」
他の三人がすぐに否定した。
「殴殺って流石にナイフでしょ! まあ最悪殴殺もありえるだろうけどね」
「そうだな」
「マアルお前大丈夫か?」
「ザキよりはマシだわ」
その話を聞いている際中再びメールが届く。
〈銃がないって驚いたでしょ? 殴殺、刺殺色々な方法でキルしてね、手榴弾とかはあるのでご心配なく、開催時間などは後ほど連絡いたします〉
「ほらみ殴殺だってよ!」
「はいはい、とりあえず銃がないっていうのは珍しいな、男性が有利な気がするが」
そう悩んでいる花岡に私は恐る恐る話を聞いた。
「ねえねえ花岡、今日って何で祝日なの?」
驚いた様子で答えた。
「お前知らないのか? 今日何時からかわからないが大会があるだろ? その状況が生中継されるんだよ」
ゲームの大会があるからといって休みにする必要あるのかと思った。
「ゲームの影響ってすごいんだね」
「テレビでも紹介されたりしてるしな、実際そのゲームの番組だってある」
二人で話している間真彩が立ち上がった。
「あらま! ラブラブねお二人さん、まあとりあえず私はお先に寝るね! 大会の時間が決まったらスタレンおねしゃす!」
「真彩練習しなくていいの?」
「まあ普段の大会なら必要だと思うけど今回に関してはいらないかなって私は思ったのだ、ま本当は私寝てなくて眠たいから早く寝たいだけなんだよね!」
他の三人に手を振りログアウトした。
消えた後すぐに私もログアウトしようとすると、二人に止められた。
「聞きたいことがあるんだけ、翔太とどういう中なんだ? それと真彩と」
首を傾げてザキが質問してきた、それに興味があるのかマアルがこちらをじっと見てくる。
すると花岡が私との関係を話し出した。
「俺と甘城は同級生だ、いわゆるリア友?」
私に目を合わせて言う。
二人は疑惑の目を向けてきた。
「ゆあたん! 正直彼氏なんでしょ? やけに仲良いし」
私はすぐに否定した。
「違うよ! リア友は本当だけどただ学校でも仲がいい男子の友達なだけ!」
そう必死に否定するも信じる素振りはしない。
「ふーんそういうことにしとくか!」
(ザキは少し変わってるなあ)
「そう言うことじゃなくて本当ですよ!」
はいはいと言わんばかりに花岡が横から入ってきた。
「まあとりあえずそういうことだ、今回は真彩に誘われてこのチームに参加した、まさか甘城がいるとは思わなかったがな」
「私だってあんたがいるなんて思わなかったよ!」
その会話に再び視線を合わせてきた。
「じゃあ真彩とはどう言う関係? リア友か?」
真彩とはリア友ではないがリア友に近い存在だ。
「リア友ではないよ、ネットで仲良くなってこのゲームも一緒にプレイしている仲だよ、リア友に近い存在かな」
次はマアルが話を始めた。
「真彩はリアルで可愛いのか?」
(この人見た目真面目だけど変な人、花岡がマシに見えちゃう)
「うん可愛いよ」
少し大人しくしていた花岡がこちらに画面を向けてきた。
「まあこの話を終わりにしよう、大会に向けて練習しないか?」
そういうと画面が切り替わり討伐クエストがある。
「俺はいいぜ! な! マアル」
「ああ、もちろんナイフでだよな?」
花岡はナイフを取り出す。
「当たり前だよな、じゃあこのクエストに行くか!」
そして私たちは宿場を出てクエストに向かう。