3話 罰
目がさめると夜の二十時だった。
「いや! 寝過ぎた、寝てて気づかなかったけど凄い通知きてる」
携帯を手にすると何やらグループに招待されていた。
グループ名 ウォーバト
私がそのグルに参加するとすぐに連絡が来た。
〈はじめまして! こんばんわ、ザキですよろしく〉
〈マアルですよろしく!〉
おそらくこの四人で大会に参加するのだろう、私も挨拶をする。
〈初めまして ゆあです〉
そう送ると次はまーやんから個人の連絡が来た。
〈後一人招待するね〉
それと同時にグループに一人が招待されてすぐに参加しましたと表示された。
〈花岡 翔太です〉
その名前を見て驚いた。
(学校の友達いいいいいいい)
そう心の中で叫んだ。
するとすぐに返事が来た。
〈驚いたっしょ?〉
〈なんでえええ〉
次にグループの方から来た。
〈あれ甘城じゃん〉
そう送られて来て私はすぐに携帯をしまった。
(やだなやだな、なんであいつと知り合いなの! まーやんとはリア友ではないし何でこいつと関わりあるの?)
するとバイブが鳴る。まーやん からだ。
〈なんでか知りたいだろう、運だ仕方がないのさ〉
そう送られて来て再び携帯をしまおうとすると通知が来た。グループの方だ。
〈今から集まりませんか?」〉
そうまーやんが送ると次々に返事が来る。
〈あい〉
〈おっけー〉
〈わかった、ゆあ も来いよ〉
それから通知が止まる、私は行くか迷ったがちょっとだけ顔を出すことにした。
「少しだけなら、ね?」
そういいゲームにログインする。
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いつもは酒場で待ち合わせだが今回は違う酒場から見て左手に路地があるそこに入ると宿場がある、今回はそこで待ち合わせとなっている。
ゆっくりと宿場に歩いていると後ろから真彩の声が聞こえた。
「おーい」
その声に私が振り向くと肩を組み話を始めた。
「昨日の話なんだけどね! あの人たちどんなペナルティーを受けたのかな?」
(ああああその話忘れてて確認してない、てかどこで情報流れるかわからないし確認しようがないかな?)
そう思いながら答えた。
「寝てたから分からないな」
そんな話をしていると宿場前までついた。
「まあ大したことない罰だろうし気にすることはないさ!」
そう言って扉を開けるともう他の人は中にいた。
「おおーまた!」
そう真彩がテンションを上げて中に入り私は隠れるように後ろにつく。
「来たか、俺がザキだ」
髪がトゲトゲしていて青髪で頭にタオルを巻いている。
「俺はマアルだよろしく」
髪と目が黒色でシンプルなアバターだ。
「俺が翔太だよろしく!」
少し厨二感が出ているのが花岡だ。
右目に黒の眼帯をつけている。
「私が真彩で後ろにいるのが ゆあたん、よろしくね!」
そう言いながらみんなが座ってるところに座る。
ザキと花岡の隣が空いている、私はザキの隣に行こうとしたが真彩が先に座ったから花岡の隣に座りことになった。
すると小声で話しかけて来た。
「お前リアルで全然違うな、リアルでも可愛いが今の方が倍可愛いぞ」
こいつの話には耳を傾けず真彩の話に耳を傾ける。
「じゃあ今回はこの五人で登録するね! てかもうしてるけど!」
今の時刻は二一時締め切りまでもう少しだ。
その間少しみんなで話をしていた。
話を切り出したのはザキだ額を集めて話を始めた。
「知ってるか? 今日このゲームをやってる人が死んだって」
その話を聞いた途端心臓がばくばくした。
(もしかして)
その話を知っているのかマアルが頷く。
「あーあれか一人は自殺で、二人は心臓麻痺だっけ、どうせ徹夜とかやりまくったりリアルで何か嫌なことがあったんだろう」
心臓がばくばくして今でも破裂しそうだ、横を見ると真彩と目があった。
少し二人の様子が変だと思ったのか花岡が肩を叩いて来た。
「甘城と真彩どうした?」
(あの人たちじゃないよね?)
そう願うしかなかった。
「おーい甘城」
他の二人も気づいて話しかけて来た。
「おい大丈夫か?」
真彩が冷や汗を垂らしながら答えた。
「いやあ大丈夫! な! ゆあたん!」
私の方を見て無理矢理な笑顔を作り答えた、私もそれに合わせた。
「うんうん!」
すると花岡が真剣な眼差しをこちらに向けて話を始める。
「お前ら二人が殺したのか?」
その話にマアルとザキが少し怒るように返した。
「んなわけないだろう、なあザキ」
「ああそんなことするわけないだろ」
「でどうなんだ? お二人さん」
(ああもうだめだ)
すると真彩が話を始めた。
「もう無理だ! ゆあたん!」
席を立ち周りに聞こえないような声のトーンで話を始めた。
「違うと思うんだけどね、昨日ゆあたん と一緒にやってた時にとある男性二人から勝負申し込まれたのね、承諾するでしょ? そしたら画面が切り替わり待機場所に映るじゃん? その時モニターに映っていた戦績が0勝九敗だったの」
みんな集中して話を聞いている。
ザキがなにかを思い出したのか話に割り込む。
「俺知ってるぞ、十連敗すると罰があるって、まあその罰は罰金とかだろうけどな」
みんな罰金が罰だと思っているらしい、そしてその勝負した時に起きたことを話す。
「勝負している時に一人の男性がうずくまっていたの」
「甘城それは作戦ではなくてか?」
「うん、作戦なら銃を持っているはずなんだけど持っていなくてしまいに死ぬ前に顔がくしゃくしゃになるくらい泣いて殺さないでくれって頼んで来て」
そういうと花岡は話が理解できたのだろう。
「勝負だから殺したんだよな? まあ勝負にも勝って相手は0勝十敗の十連敗になったと」
「そそ、ラストの人を倒す時、私たちはペナルティーを食らう内容は明日になれば分かるって言ったの」
他の二人も理解できたのだろうか話に入ってくる。
「明日が今日って事だよな?」
私と真彩は声を合わせて言った。
「そう」
一瞬静寂に包まれたがすぐに花岡が話を始める。
「お前らは気にすることじゃないと思うぜ俺は」
「でも私と真彩は人を殺したことに」
「殺してなんていない、罰も受けていない、脅しと考えていい」
その言葉に吹き返した真彩が私を励ます。
「そうだ! 私らは悪くない! 寿命だったんだよ! 勝ちたかったからあんなこと言って脅そうとしたんだよ!」
その励ましに私は少し元気になったがまだ少し変だと思う、運営から罰の内容が発表されてないことが。