2話 呆気なく
「三、二、一、ごおお!」
再びテレポートされ戦場についた。
マップはとても狭く相手との距離も近い。
「とりあえず武器を探そか!」
「了解、敵がいたら教えて!」
「あいよ!」
そういい武器を探しに行く、いつでもカバーできるようにできる限り近くで探索する。
近くに小さな小屋がある。
「音はしないけど、しっかりクリアリングしないと」
ゆっくり扉を開ける。すぐには中に入らず周りを警戒しながら中を確認する。
「いない」
いないのを確認し中に入り武器を探す。
「この状況で敵と会ったら最悪やね」
そう口にしていると奥の部屋から音が聞こえた。
〈ガサガサ〉
(あっ誰かいる)
「やばいやばいやばいやばいやばい」
その部屋をこっそりと覗くと酔っ払っていた男性がうずくまっていた。
(作戦? どうしよ、ここ通らなきゃ隣の部屋に行けないし通るとばれちゃうし)
そう考えているうちに真彩から連絡が来た。
〈武器あったぜい! HGだけどね、そっちは何かあった?〉
〈敵がいる、でも様子が変なのブツブツ言いながらうずくまっている〉
〈じゃあ今からそっち行くね、バレないようにしてね〉
〈了解〉
私は真彩がくるまで部屋にいる一人を警戒しつつ周りにもう一人がいないか音を聞く。
するとどこから足音が聞こえた。
それと同時に連絡が来た。
〈もう着く! 周り警戒お願い!〉
一度その場を離れ扉の近くにある窓から外を見る。
〈了解〉
そしてゆっくりと真彩が部屋に入って来た。
「この奥にいるよ酔っ払いが」
「こっちに気づいてる?」
「気づいてないと思う、ずっとぐちぐち言ってる」
二人で奥の部屋を覗く。
「いや本当だ! やっちゃうよ?」
真彩がP250を手にしエイムを合わせる。
その瞬間こちらに気づいた、するとゆっくりとこちらに近づいて来た。
「撃たないでくれ! お願いだ!」
泣きながら頼む男性を見てもビクともしない。なぜなら勝負だからだ。
「おじさん、勝負だから仕方ないのだよ、あっけないけど死んでもらうね」
そういい引き金に指をかける。
「本当にやめてくれ! 俺たちの通算戦績を見ただろう! わからないのか?」
「0勝九敗でしょ? 見たよ? これで十連敗だね」
頭にエイムを置き一発撃つ。
「いやだよ! やだ」
そう言いながら後ろに倒れデスマークが付いた。
「よし! あと一人だね!」
「そうだね、容赦ないね真彩」
「当たり前だ! 勝負なんだから、手を抜くなんてありえないさ! ラストもさっさと倒して終わらせよう!」
真彩は周りを警戒しながら先に部屋を後にした。
「十連敗するとペナルティーだっけ? 罰金とかだろうけどなんであんなにビビってたんだろう?」
そう考えながら隣の部屋に入る。
テーブルの上にP250があった。
「銃があるよかったあ、でもあの人先にこの部屋を探索していたはずなのにどうしてこの銃を取ってなかったんだろう?」
銃を手にし外に出る。
先に外に出ていた真彩から連絡が来た。
〈敵いたよ! 銃持ちだから気をつけて! ゆあから見て左にコンテナがあるでしょ?」
〈うん〉
〈そこに隠れてるから注意して〉
〈了解! 私も銃ゲットしたからいつもの作戦で!〉
〈おお! ないちゅ! 了解!〉
一度小屋に戻り、左にあるコンテナにエイムを置きながら進んで行く。
〈作戦実行!〉
エイムを置きながら敵がいるところに走る。
「そこにいるのはわかってるよ!」
「来たか、死ねええええええええ」
私に向いて発砲する。
「避けるよ! 避けるよ!」
「くっそバケモンかよ!」
〈今いける!〉
そう合図すると真彩が右側から出てきて確実に頭を狙い発砲する。
「よし! 当たったぜい!」
「......どこからきたんだ、お前の気配はしなかった、もしかしてチートか?」
「んなわけないでしょ! 実力だよ!」
「ふっ実力か」
あとはデスマークが付くのを待つだけ。
「正直言って君たちのことを甘く見ていたようだ」
「だろうな!」
「十連敗を阻止しようとしたが失敗したな」
「十連敗するとどうなるんですか?」
私はさっきから気になっていたことを聞いた。
「ペナルティーを食らう、まあ明日になればわかるさ」
その直後にデスマークが付き、再び転送され元の場所に戻った。
バトル終了 十分二三秒
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戻るとすぐにペナルティーについて聞く。
「真彩ペナルティーってなんだと思う?」
首を傾げて答えた。
「なんで? まあおそらくだけど罰金とかかな?」
「もし罰金だとしても、あんなビビり方あるかな?」
「さあね、まああの戦績を見れば勝ち目がないってなるのはわかるよ、123勝13敗だからね!」
「そうかな?」
「まあとりあえず勝てたことだし練習しますか! 明日になればわかるっていってたし、明日を待つしかないね!」
そのあと私は真彩と昼までプレイをした。