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血色の瞳  作者: 池野蛙丸
3/4

変わり始めた日常

遅くなりましたが、続きです。

授業が全て終わり、多くの生徒が帰ろうとする中、藤花先生が入ってくる。しかし、朝とは違い深刻な顔をしている。先生が席に着くように言う。そのあとに続いた言葉は、日常でよく聞くことだったが、生徒達を慌てさせるには十分だった。

「街中に、感染者が現れた。BV対策本部より討伐部隊が向かったが、逃走されたらしい。くれぐれも、寄り道等をしないように!」


クラス中が騒がしくなる。BV対策本部に文句を言う人もいる。そんな中、花咲だけが周りとは違う、険しい表情をしている。少し気になったので話しかけようとしたが、秀に遮られてしまった。


「なあ、感染者がどんなやつなのか見に行こうぜ!」

「はあ!お前、それはさすがにダメだろ!」

秀の提案に、素早くツッコむ。

「ははっ、冗談だよ!」

「なんだ、驚かすなよ。」

そんな会話をしている内に、花咲は帰ってしまったようだ。


「そろそろ帰ろうぜ!司。」

「あっ、ああ、そうしようか。」

秀に急かされ、慌てて用意する。慌てて用意したせいで、ノートがないことに気づかずに帰ってしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夕食を食べた後、課題をしようと思い、カバンを開く。司は、この時になって漸くあることに気づく。

「ヤバイ、ノート置いてきた…。面倒だけど、取りに行くしかないよな…。」

司は、家を出て学校に向かってしまった。感染者のことを忘れて。


「校門は時間的に閉まってるだろうし、ここを通るしかないか。」

そう言って、フェンスに空いた穴をくぐるのだった。


野球部の部室の前を通り、横に曲がる。たまに通るその道の先に、犬のような顔をした感染者と、血で服が赤く染まっている花咲がいた。花咲は倒れており、近くに刀が転がっている。

「花咲さん!」

司が叫ぶが、反応がない。司の脳裏に1つの記憶が蘇る。それは、1つのトラウマでもあり、決意でもあった。


両親の背中から、鋭い爪が生えてきたようだった。感染者に両親を殺され、死の恐怖を感じ、二度とこんなことが起きないように、僕が守ると誓った時の記憶で、はっきりと覚えている。この光景が、両親が、花咲とかぶって見える。このままだと花咲が死ぬ。そう思った時には、司の体は動いていた。

「花咲さんから離れろ!」

近くにあったバットを掴み、感染者に向かって降り下ろす。しかし、当たったはずなのに傷1つつくことがなかった。

「嘘だろ、なんで…。」

感染者は煩わしそうな顔をしたあと、司に向かって右手をふるった。それだけで司は、ゴキッ、ベキバキッ、と音を響かせながら吹き飛んだ。すこしづつまぶたが落ちてゆく。必死にあらがうが、抵抗も虚しく、司の意識はそこで途切れてしまった。



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