コード・メッゾピアノ(3) 新型機、現る
未だに敵影は見えず。何もない。不気味な、暗い雰囲気が辺りに漂う。三十分ほど経った頃だろうか。
「敵影捕捉――行動開始」
加速し、急接近。そこには――何らかの機械の残骸がある。四本の足と多数の重火器。そして中央には胸が開いているそれに、既視感をなぜか覚えて――
「アヴァランチ!」
迫る刃を受け流し、カウンター。血の花を咲かせる。戦闘開始。
今度は、真正面から来る。わかりやすい挙動。見抜き、飛翔。刃のライン上には姿はない。背後に回り、叩きつける。吹き飛ばした奴をヴァイアランが撃ち抜く。
数に物を言わせて包囲しようとするが、無駄。
「行けっ!」
ヴァイアランがビットを展開し、すぐさま放つ。
それらは、敵を穿ち、紅く姿を変える。それでもまだ、奴らは仕掛けてくる。なぜか、いつもにも増して、オーバーな挙動で来る。
――オーバー?
何かが引っ掛かる。
「アヴァランチ、敵の新型が現れた。警戒しろっ!」
「了!」
新型。それは、俺らに酷似している。腰部のスラスター。背中に武装ポッド。腕に曲刀。
「あの曲刀は――恐らくは、ピスケスのだ。確かパーソナリティは――通常時の耐久増加と、製造速度の加速だったはず」
「わかった」
こういう時わかっている奴がいると助かる。だが。敵も、ギアを――不死の技術を手に入れた。これは、まずい。もともとの人数差というディスアドバンテージを補ってきた、質が縮まってしまう。
奴が、加速する。
「ちいっ!」
火花が散り、鍔迫り合い。互いの裂帛がぶつかる。
「やはりか――これが貴様らの正体か。ならばっ!」
加速し、俺を突き飛ばす。だが――甘い。
刃が素直に来る。迫る凶刃。すべてを、見切る。
ギインッ! 再び上がる火花。
ビットを形成し、けん制する。動きを止める。
「はあッ!」
加速。肉薄し、刀を振るう。火花が三度散る。
力任せに薙ぎ払おうとするが――元の体格差か、そうはいかない。仕方がない。使いたくはないが、こっちとしても、死にたくはない。
「avalanch system auto personal limit over」
機体が淡く光り、起動する。と同時に。
蒼く、光る奴の機体。
「――っ!」
パーソナリティの使用。それ自体は、驚くことではない。だが、なぜ知っている――?




