コード・デクレッシェンド(2)
「せえいっ!」
四方を囲まれたヴァイアランが、力任せにこぶしを振るい、距離を取る。
すごいな、なんて感心している場合じゃない。俺たちは、個別撃破能力は高くても、集団を相手取るには少し物足りない武装が多い。四方を包囲され、分断されこのざまだ。
だが、敵勢力の攻撃がだんだんと、弱まってきている。
「くそっ!」
刀を振るい、そしてナイフを投擲。無理やりな組み合わせで数を減らしていく。だが、もともとの風景が一向に現れない。
「システム同調――殲滅しろ!」
ヴァイアランがビットを形成する。それらはアンドロイドに突き刺さり――破壊する。だがそれでも足りない。可能性は一つ。
――奴がいること、だ。
奴――蓮沼幸樹なら。パーソナリティで何とかなるだろう。それにしては――少し待ちすぎだ。
「avalanch system auto limit over personal full power」
システムが暴走する。最適化された武装、その形が無理やり形成され。人体に食い込んでいく。否、人体を改変していく。
圧倒的な瞬間火力。それを目的とした兵装。サブアームやら、その他諸々の装備で固められる。
そして超絶的に強化された視界にそれは入った。
可能性にはなかった――アンドロイドを製造する謎の機械が。
「avalanch system over road」
システムが新たな兵装を追加する。それが、その最大の特色である大火力を発揮する。
それはたやすく奴らを貫き――その後ろにある製造モジュールを完全に露出させる。
「あれは?」
「今、パーソナリティでの解析が終了した。アンドロイド製造モジュールらしい。破壊してくれ」
「わかった」
すぐさま砲撃に移る。連射。辺り一帯を殲滅。
「これで――!」
モジュールをヴァイアランが破壊し――ミッションコンプリート。




