復活、そして
いよいよ動き始めます。
第一章 復活、そして戦争の始まり
――視界に広がる、真っ白な空。俺はただ一人、歩いていた。全身を赤く血で染めて。
これは、夢――だろう。現実ではない、しかし暗い世界。
ガラッ、という音。その先には、白骨。それが、近づいてくる。
「ひいっ――」
情けない悲鳴。足が、震える。走り出そうとするが――足を押さえつけられている。
ガシャン。ガシャン、ガシャン。ガシャガシャシャ――!
囲まれる。迫り来る恐怖。死んだのにも関わらず、死にたくないと思った。視界が、真っ白に染まり、肩に手を――
「大丈夫? うなされてたけど」
栗色の髪をした、機械に体を覆われた少女が言う。
汗でしめっていて、気持ち悪さを感じる。
体を起こそうとするが――動かない。
「無理しないでね? 今、あなたは動いちゃダメ。あと一週間くらいはこのままじゃないと――死ぬわよ?」
そう言うなり少女は、何らかの操作をする。と。
「マスタ―より通告。あなたにデータを送ります」
少女の声が聞こえ。
「へ?」
脳内に直接響く、その声に違和感を覚えつつも。
「まあつまり、私たちの中で、会話ができるってことね」
「は、はあ……」
納得したような、そうじゃないような。
「とりあえず、一週間後ね。それまで、データでも見といて」
「ああ、わかった……」
データを見るに。俺らはどうも、ナノマシンを応用し、それを用いて兵器にしているようだ。俺のギアの名前は、アヴァランチ、というらしい。「雪崩」か。一体どんな名前だ。いやそれよりも。先ほどのマスターや、俺--以外にも、ディーヴァ、ヴァイアラン、フィーリア、シャイリン、ランスロットというのがいるらしい。そこまで読むと、眠くなり――瞼が勝手に閉じた。
パーソナリティとかいう、ギアごとの特性やらなんやらを見つつも、一週間が経った。
「これより、デスマッチを開始します。アヴァランチはランスロットと。ヴァイアランは、シャイリンと。ディーヴァはフィーリアとです。これで生き残った者が、実戦に配備される予定です」
「つまり殺しあえと?」
フィーリアがそういう。目に、少しの狂気を宿して。その眼に、少しの恐怖を感じる。
「そういうことです。では、開始します」
準備を整え、演習場へと足を運ぶ。