コード・フェルマータ(5)
「マスターから伝言。無茶するなよ、だとさ」
「わかった」
多分さっきのだろう。エネルギーたるナノマシンが十分でない中でむやみに使うのは、確かに危ない。とりあえず、補給を受け。
「行くぞ」
俺たちはスラスターを吹かし飛び去る。ナノマシンの残滓が消えていく――
――本拠地。今度こそ、爆破されていない。しかし、異様な光景。
アンドロイドが大量に製造され、コンテナに積み込まれる。
「まず、アヴァランチ。お前が突っ込み、その隙に俺らが行く」
「了解」
スラスターを最高出力。蒼い尾が後ろに広がる。
「コ、コンタクト!」
さあこい。とはいえ、こっちもだいぶ辛いからな――たとえ補給を受けたとしても。
最小限の動きで、そいつを屠る。と同時に、サイレンが鳴り響く。
そして群がっているコンテナの中から、アンドロイドが大量に吐き出される。
パワードスーツ兵も大量に湧き出る。どこにそこまで、と思いつつも。前を向く。
一気に加速。アンドロイドを蹴り飛ばし、投げナイフを投擲。そのままタックルをかまし、体勢を崩させたところに、一閃。赤い花を咲かせる。
白い装甲に、血が纏わりつく。そのまま通り去り――地面に穴を開ける。
再度加速し、戻す刀で叩き斬る。
「ヴァイアランよりアヴァランチ。制圧まで持ちこたえてくれ」
「了解」
敵の数が、倍増する。減る気がしない。パーソナリティも、まだリロードが終わってないし、そもそも今でさえ危ない。
今は、耐える。減らすことよりも先だ。
ハンドガンを形成し、連射。前衛を撃破する。だが、まだほど遠い。だが、諦めるわけにはいかない。ここでやめたら、誰が後を継ぐというのだ?俺たちはただ、戦争という蓑の中で、平和を目指す。それだけだ。
心にその言葉を刻み、駆ける。
(めんどくせえ、接近して――!)
危険な賭けに俺は出る。
「――あああああッッ!」
一言叫び、力いっぱいにたたきつける。吹き飛ばされたアンドロイドが敵の一角を薙ぎ払う。その穴に駆けつつも、
「はあッ!」
ナイフを形成し投擲。左右との距離を取る。そしてそのまま目の前の山をグレネードで粉砕する。
これでもまだ、半分ぐらいだ。というところで、
「アヴァランチより、ディーヴァ。敵が撤退し始めた」
「了解。こっちはそろそろ制圧が終わる。追撃しろ」
「了解」
これからは多分、この時間帯に投稿すると思います。




