コードフェルマータ(3)
――そのころ、そのあいつらことアヴァランチとヴァイアランは――
「はああっ!」
ロングソードを投擲し、投げナイフを突き立てる。本来とは違うレンジの攻撃で、パワードスーツ兵を屠る。
そしてその穴を、通り抜け、背後に回る。
「狙撃する――射線に気を付けろ」
「了解」
それだけ。それだけの会話で、何をするか通じる。
パワードスーツ兵を蹴り飛ばし、注意を引く。そして、サイドステップ。
すぐ横を銃弾が過ぎる。よけた奴らを、まとめて切り裂く。血が弾け飛ぶ。
やはり、慣れないし、したくない。心の中で謝る。
――所詮、ただたまたま所属する国が違うだけ。彼らは何も悪くないのだ――
「アヴァランチ、ヴァイアラン!」
彼が戻ってきた。多数の敵を引き連れて。見ると、その自慢の装甲がところどころ欠けている。
「ディーヴァ、撤退し、補給してこい。ここは――俺らに任せろ」
「サンキュ!」
さあ――ここからが正念場。生と死を分ける、戦いだ。
始まりは戦車の盛大なファンファーレから。
俺らは軽々しく躱すと――俺は突っ込み、彼は戦車の砲塔のみを破壊していく。無力化された戦車よりも、まず――アンドロイドを狙う。
「avalanch system accelarate over」
近接型に追加でつけられた、オーバーブースト。その真価は――乱戦で発揮される。
白い光をまとい、死角に入る。ハンドガンを形成し――乱射。マズルフラッシュが明滅する。
「こちらヴァイアラン。本拠地の位置を特定。だが、進撃は不可能。ここを切り開け、アヴァランチ」
「了――解っ!」
パワードスーツを切りながら言う。そのままの勢いでアンドロイドを蹴り飛ばし、誘爆させる。タンクを撃破。しかしまだ、三分の一も削れていない。
くそっ。敵の増援が多い!頭数がたりない。二機なのはさすがにつらい。
仕方がない。
「avalanch system personal open」
パーソナリティを展開する。まずは、ナノマシンのみで重兵装と追加スラスターを作り上げ、急加速。タンクに二連撃。撃破する。
「援護は任せろっ!」
パーソナリティ展開を見たヴァイアランがアンドロイドを屠る。
さらに、長剣を振るい、破壊していく。多少被弾するが、傷一つつかない。
だが、どんな撃破する数が多くても、余りにも数が多い。心なしか、さっきよりも多く見える。
どんなに戦闘力が低くても、数で押せば、どんな精鋭でも疲れがたまる――それは、常識だ。
ふと意識レベルが下がる。頭を振るい、目覚めさせる。だが、その一瞬で――砲弾が、迫り――
バキイイインッ!腕が吹き飛び、血が舞い散る。攻撃が最大の防御――それが俺の戦闘スタイル。だが、その盾を失えば、被弾しやすくなる。
「ぐっ……」
次々と被弾し、痛みが倍増する。体勢を立て直し、腕を再形成する。
そしてそのまま、タンクを屠る。その爆風に紛れて、アンドロイドを、パワードスーツを撃破していく。血の匂いが充満する。赤く染まる装甲。気にする暇はない。
包囲網も、あと少しで終わりが来るはずだった。だが。
「何だ……こいつら――なんで、引かない――?」
直感が告げる。そして、同時に、地面が膨れ上がる。急上昇。
地面が捲れ爆風。跳ね上げられる。
(嘘だろ!こんなトラップが……)
実際、なんとなくで躱したからいい。だが、これが放置されれば余りにも危険だ。そこまでするのか。
とりあえず、今ので一応包囲網は消えた。とはいえ、今のだけで、相当な被害を負った。
装甲を修復する。
相変わらずバトルシーンが長い。どうしようか。




