最後の戦い
初投稿です。いろいろとちぐはぐなところもあるかもしれませんが、読んでいただけると幸いです。
SF以外にもいろいろと書いていく予定です。
序章 戦争の再開
人類は発達させてきたものが――いやさせすぎたものが主に二つ。
――兵器と、医療。
兵器はともかく、医療なんて別に問題なくないか?
そう思うだろう。この世界で病気で死ぬ者はいない。たとえ、生き長らえたくなくても。そして何より俺たちはこう思う。「死にたくない」と。その結果――生まれるわけだ。それこそ、不死の技術とやらが。
そしてそれは、オーストラリアで生まれた。ナノマシンを利用し、細胞を活性化させる――とかなんとか。そして、それを、兵器として転用してしまった。その名は「パンドラ」そして、その存在を知り、不死の技術を得ようと思ってしまったユーラシア連合は、宣戦布告した。そして、オーストラリアという地名は、地図から消えた。どのように――?
――答えは簡単。核を撃ち込んだ。そして、沈没した。それだけだ。
その後、戦いを止めるべく――というよりこれ以上人類の活動域を狭めないために、各国は、武力の放棄を決定した。
ところが国同士の睨み合いがありながらもある程度平和だったときに――ある情報が、発覚した。「日本が、ナノマシンを利用した不死の技術を受け取っていた」と。そんな話が、広まり――そして。何より問題なのは、それは、真実だということ。そして同時に、ユーラシア連合は、最後の戦いを始めるべく、海溝に沈めていた兵器の引き上げを開始した。
――そして、三年が経った。
ユーラシア連合は、パワードスーツやその他の兵器を何とか引き上げ、そして、核ではない通常弾頭のミサイルを発射した。
「緊急放送です。ユーラシア連合からICBMが発射されました。直ちに避難してください。繰り返します――」
街角のモニターに映し出されたそれは、人々に疑問を植え付けた。なぜ、廃棄されたはずの兵器が?とか、どこへ逃げろと?とか。
確かに、廃棄はされていた。極秘裏に引き上げられてはいたが。
「樹里亜。このあたりに固い建物とかは?」
「瑞希、確かこのあたりには、一つあるけど――」
空を見上げる。赤く染まった空が広がる。
「もう、手遅――」
彼女が口を開いた刹那、俺の意識は消え去った。