第1話 俺は大きな街・・・・・・の中で生きています
俺は、15歳の時に冒険者になる為に故郷のポタスの村を旅立ち街へと向かった。
深い森に深い山を越して、何とか始まりの街スタートへ辿り着いた。
俺の村は小さく、村人も百人程度くらいしか居ない。
しかし、スタートの街には、入り口の扉を抜けただけで最低でも千人は居るだろう、それ程に街はたくさんの人で賑わっている。
「今日から俺は冒険者になって魔王をぶっ倒してやる!」
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「あなたに勇者は向いていません」
少し薄暗く、木造建築のギルドのなかは、少し木の独特な匂いが漂っている。そのギルドの中の十個程ある受付窓口の一つの金髪の担当員の女性が淡々とと言ってきた。
「え?」
「あなたには勇者は向いていません」
まじで…………。
俺にかなり残酷な事を言っているにも関わらず、最初に話しかけた時と何らそん色無い笑顔なんだが。お前!多少可愛いからって調子に乗るなよ!…………泣きそう…………。
「それは、言葉の間違いというやつでは無いですか?」
俺は、現実が直視出来ないのか、何度も聴き込む。
すると、金髪の女性が笑顔を歪めること無く言ってきた。
「はい!あなたは、勇者には向いていないというか、無理ですね!」
もう、確定の事実になっちゃったよ。
しかし、街まで来てしまった以上金は必要である。そのため、俺は、他の職業は無いか聞いてみた。
「あの他の職業は何が出来ますか?」
すると、困ったようにしながら金髪の女性は俺のステータスカードを見始める。
「他の職業ですか………魔力は低めだから魔法使いは無理だし……………防御力も低めだから盾役の職業全般無理だし………えっ!」
金髪の女性は、今まで少し適当気味に言っていたのに突然大声を上げた。
すると、勢い良く俺の方を見て言ってきた。
「君!職業が見つかったよ!」
近い!顔が近い!
折角の可愛い顔なんだから、そんな無邪気だと美人が台無しですよ。これが言えたら俺は、モテモテだろう。えっ言えないに決まっているじゃ無いですか〜だって俺だぜ。
俺は、多少引き気味に聞いてみた。
「ちなみに何て職業ですか?」
「君の職業は……………」
この金髪女性の一言が俺の人生を変えたのかもしれない。
「…………荷物持ち&サポーターだね!」
「え?」
「だから、荷物持ち&サポーターだね!」
いやいやいや、あんなにテンション高く言ってきたんだから、何かこうあるでしょ。チートを見つけたとか、秘められし力とかさ。なぜに荷物持ち&サポーター。&を付ければいいとか思うなよ!
「それは、何故ですか?」
すると、金髪の女性はテンションが収まらないのか中々高いテンションで言ってきた。
「君のねステータスの荷物持ちの所とサポートの適性だけがトリプルSなんだよ。トリプルSとか初めて見たよ!」
一応俺は、褒められてるんだよね。ねぇ褒められてるんだよね。
つーか、荷物持ち適性って何だよ!何を測っているんだよそのカード!
その、金髪の女性の声が予想よりも大きかったため、その声は、ギルド中に響き渡り、トリプルSという言葉だけを聞き取った冒険者達が興味深々に俺の方に視線を送ってくる。
かく言う俺もトリプルSというランクは初めて聞いた。
確か、ダブルSで神レベルだから、俺って神以上ってことじゃん…………。本当は喜ばないといけないのだろうが、なぜか喜べない。
あと、冒険者の方々そんなに俺に期待をしたような視線を送らないでくれ。
俺は、病むおえず答えた。
「……………分かりました……………やります……………」
金髪の女性は、初めてトリプルSを見たからか、感動に浸っているけど、俺は全く感動に浸れないんですが!
暗いギルドの中で俺は、その暗さよりも暗いオーラを放っていた。