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其れは憧憬であり。 其れは渇望であり。
この世に伝わる昔話をしよう。
昔々、まだ人々が秩序を持たぬ頃、一柱の神が空から落ちて来た。
神を追うように魔物達も落ちて来た。
人々は魔物達に襲われ、殺され、絶えかけた。
そこで人々は落ちてきた神に頼み、神への生贄と引き換えに選ばれた者達が強大な魔法を授かった。
ある者は山を両断できるような、
ある者は海の水を全て干上がらせられるような、
ある者はバラバラになった死者を生き返らせるような、
今となってはありえないような規格外の魔法の数々を、神は人々に授けた。
そして力を持った人々は魔物達を陰へと追いやる程になった。
だが、魔物達の脅威が去っても神は生贄を欲した。
ある時、人間の何代目かの王が神に叛逆した。
神は自ら与えた魔法と人々の勇気によって世界の果てへと封印された。
神の力が封印されてから、魔法は徐々に衰退していく。
そして、今では人が扱う魔法は魔物1匹を撃退できるかできないか程度の力になってしまった。




