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すべてが嫌になったとき  作者: ひろせ ゆい
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夕日が背中を引っ張ってくる

こんにちは。作者のひろせ ゆいです。現役高校生です。


甘い物が苦手で、甘々のラブストーリーも書けません。ですが、本作がみなさんの心のどこかをノックしてくれる作品になることを願っております。

本当に心が痛む時、少しの呻きと沢山の涙が出る。


本当に辛くなった時、ぎゅっと口を閉じる。


...


「どんなに苦しくても死んじゃダメってのはなんでかね。」

もう日も沈む頃、家の近くの公園のブランコに小さくゆられながら、少しの期待を秘めて、僕は前を向いたままそう呟いた。

「そんなんあれやよ。死んじゃいかんのよ。」

すこしの間があってから右側から聞こえてきた、あまりにも期待はずれなその答えに僕は思わず笑った。今度はちゃんと右を向いて、そんなの答えになってないぞ、と微笑を込めて言おうとした時、右にいたその女の子は突然ブランコの上に立って思い切りこぎだした。

「よく見てな。今からあの柵越えるで。」

勢いを増しながら、彼女はブランコを取り囲む柵奥を見ながら言った。

「おい馬鹿、怪我したらどうするん。」

僕は今何を言おうとしていたのか、一気にどこかへ飛んでいってしまった。きっと大した話では無かったのだろうが、彼女はいつも突拍子も無いことをしてくるものだから困ってしまう。

「それは絶対痛いな。」

彼女はまた突然こぐのを止め、減速するブランコの上に立ち尽くしている。

「きっと死ぬのも痛いよ、ユウ君。」

ああ、そういう話をしていたんだっけ。

「でもさ、アニメの主人公とかがさ、『俺はいいからお前が先に行け。お前が生きろ。』っていうのはすごくかっこいいよね。」

ほら、本当に突拍子も無い。彼女はすばやく息継ぎをして、また続けた。

「これはあんたの言う、辛くて死ぬのと何が違うんだろな。」

その時、的を得たような、いや、ギリギリで的にさえ命中しなかった矢が僕の心臓に刺さったような、何とも言えない気持ちが僕を包み込んだ。

「そんなん、そんなん、わからんて。ゲームやアニメの世界だろ。」

確かにわからなかったが、ゲームやアニメ死と僕らの死を分け隔てて考えたいとも思わなかった。今のは咄嗟に出た付け加えの言葉だ。僕がゆっくりこいでいたブランコはいつの間にか止まり、僕は地面をじっと見つめて、真っ白な頭の中で彼女が言ったことを考えていた。

本作をお読みいただきありがとうございます。作者のひろせゆいです。

本作は連載作品となっておりまして、結ちゃんと雄二くんの物語はまだまだこれからも続いていくというわけです。次回もお読みいただければこれ幸い。

更新速度ですが、ゆったりペースで投稿していくつもりで、週一の決まった日に投稿できたらいいと思っております。


それではいつごろになるかわかりませんが、次回またお会いしましょう。

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