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「冬夜あんたこれからどうするの?」
「どうするもこうするも特に決まってないけど……」
部屋を出て少ししたところで唐突に陽菜がそんなことを聞いてくる。
来たばっかの冬夜にとってはこの辺に何があるのかもわからないので何も決められない。
更に言うなら一人になった途端、また彷徨う自信がある。
「そんなことだと思ったわ。じゃあお昼にしましょ?」
文句はないわよねと笑顔で語りかける。
冬夜は恐怖心から黙ってうなずくことしかできなかった。
「何だ学食か……」
「そのがっかりした感じは何よ。いらない期待でもしてたのかしら?」
陽菜に連れて行かれた場所は学校の学食。
しかも面白味のかけらも感じられないどこにでもあるような学食だ。
他と違うところがあるとすればちょっとばかり広いところくらいである。
今日はまだ休みであるからか、この広い学食にいる生徒は少数であり、それぞれ散り散りに座り昼食や会話を楽しんでいる。
「期待なんてしてないけどさ……いやちょっとね……」
「そのリアクションから期待してないって言われても説得力のかけらもないわよ」
陽菜にはそういったものの多少は冬夜でも期待していた。
久しぶりにあった幼馴染なんだからちょっとでもいいことがあってもいいと思ってたからだ。
「まぁ陽菜にそこまで期待するだけ無駄か……」
「何か言ったかしら?」
冬夜は何でもないよと言っておとなしく陽菜についていく。