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「要は第1学部が体育会系で、第2学部が文化会系って感じですね」
「あー、なるほどな……」
神崎の説明は的を射ており、まさにその通りであった。
第1学部からはいつまでも大きな声がやまずに聞こえてくるためたま学外からの苦情が来る。
第2学部は第2学部で、学内の備品が壊れたり、実験中の何かが逃げ出したとかで学内から苦情が来る。
どちらも迷惑な面はあるのだ。
「そして3つ目ですね。ここが1番簡単で分かりやすいです。第3学部は完全に中立です。どっちつかずってことですね」
「目的すらないからほんとに自由奔放よ。気楽でいいわ」
さっきまで寝ていたはずの陽菜が伸びながら口を挟んでくる。
神崎も苦笑いをしながらも否定はしなかった。
「まぁ立花さんの言うような部分もありますけど、楽しくていい学部ですよ」
「そりゃ、自分の学部のことを悪く言う教員はいないわよねー」
陽菜はどこから取り出したのかわからないが、ペットボトルのお茶を飲みながら言う。
「まぁ、身内贔屓な感じもありますがいいところですよ」
「は、はぁ……要は――――」
冬夜がまとめた結論はこうだ。
第1学部は一般的な学校で言うところの体育会系、第2学部は文化会系、第3学部は帰宅部といった感じである。
ちなみに第1学部と第2学部は対立中。第3学部はと言うと完全に中立のため関与はしていない。
更に付け加えるなら神崎は第3学部の教員であり、陽菜もそこに所属しているとのことだ。
「流石皐月君ですね。理解が早くて助かりますよ」
「陽菜がおとなしくしてればもっと楽だったんだけどな……」
「自分が理解力無いのに人のせいにしないでよ」
最後に何やら反抗してくる人もいたが、学部の話は大体片付いた。