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「というわけなのよ」
「長げえよ!陽菜って意外と説明下手なのな……それによくわからなかったし」
陽菜の説明は数十分に及んだものの、その内容はとても完結でまとめると次のようである。
まず、この学園には3つ学部があり、学んでいることはほとんど変わりがない。
違うところは教育目標というより最終目標が異なっている。
最初に第1学部だが、目標は魔術師として成功することであり、魔術を極めることを中心に勉強その他を進めている。
次に第2学部だが、科学技術と魔術の共存を目指している。
そのため、他の学部に比べると最新の設備が整っている。
最後に第3学部だが他2つの学部とは異なり、目標にしているものはなく自由奔放なのがある意味、特徴だと言える。
「皐月君は今の説明では理解できなかったと思うので私が補足させていただきますね」
凍夜はお願いしますと神崎の補足を頼る。
「一応尋ねますが皐月君は魔術に関して、どれほどの知識があるんですか?」
「ほぼ全くないかな……姉さんもなかなか教えてくれなかったし。
とりあえず誰にでも使えるわけじゃないってことくらいしか知らないかな」
神崎はなるほどと言うと陽菜に何やら伝える。
それを聞いて彼女はどこかに行ってしまう。
「それでは魔術全般について最低限のことをこれから説明していきますね。まず魔術と言えるものについてですが人間ができることに限るといわれています」
「それはどういうことだ?」
「持ってきましたよ」
凍夜の質問に答える前に陽菜がホワイトボードを持って帰ってくる。
一応お礼を言うと神崎はホワイトボードにいろいろ書いていく。