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「さて皐月君わざわざ遠かったでしょう?ずいぶん時間もたちましたしね。確か約束の時間は――――」
「申し訳ございませんでした!」
やたら親切にしてくれると思ったらもちろんタダでそんな事してくれるはずはなかった。
神崎は笑顔のまま妙に時計を気にしながら対応してくれているのだ。
そんなことをされては頭を下げずにはいられない。冬夜はその場で土下座で謝る。
「まぁいいですよ。さて時間も結構削られてしまったので早速話に移りましょうか」
「あんたほんといい性格してるわね」
先ほどから腕を組んで壁に寄りかかっていた陽菜が急に横やりを入れるが、神崎はそれを無視して説明を続ける。
「それで先につまらない話というかこの学校についてちょっと紹介しますね。それでは立花さん説明お願いしますよ」
「はいはいわかりましたよ。神崎先生」
先ほどから2人の会話が妙にかみ合ってない気もするが気にしていたらここでは過ごしていけないだろうと感じた冬夜はそれを無視する。
「じゃあ軽くするわよ軽くね。この学園には学部が3つあるのよ。はい終わり」
「残念ですね立花さん……また来年同じ科目でお会いしましょう」
「ははは……」
ついに堪えられなくなった冬夜は乾いた笑しか出なかった。
「はいはいじゃあちゃんと説明しますよ」
「頼むぜ陽菜」
陽菜は了解と答えて説明を始める
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